KINDRED SPIRIT
Karl-Friedrich Scheufele - Interview

辣腕経営者の精神

Tuesday, May 19th, 2020

 

 人々の好みは常に進化してきました。一時は厚くて大ぶりな時計が主流になりましたが、今はより洗練された、薄く小ぶりな時計が再流行しつつあります。ある意味、一周してもとに戻ってきていますね。このブティックのオープニング記念に制作された「L.U.C XPS 1860 オフィサー ロイヤル アームズ オブ イングランド」は、上品なタイムピースの代表例です。

 

 このモデルは、英国らしいひねりを加え、洗練さとスタイリッシュさを極めた時計に仕上げることがコンセプトでした。非常にうまくいったと思います。美しい装飾が施されたケースバックは、ヒンジ付きのオフィサータイプの開閉式裏蓋となっていて、開けるとムーブメントが姿を現します。密かに裏蓋を開けて眺めるのも、ご友人と一緒に楽しむのも自由です。

 

 限定8本にした理由は、「8」が縁起のいい数字であるからだけではなく、無限を表す数字であるからです。私にとってはレーストラックを連想させるものですね。

 

毎年イタリアで行われているクラシックカーラリー「ミッレ ミリア」に出場するショイフレ氏。

 

 

 ヴィンテージカーと機械式時計の共通点は、精密性、機械工学、美しさです。ヴィンテージカーの機械部分より時計のムーブメントの方が小型であることはいうまでもありませんが、その原理は本質的には類似しています。上質なクルマの愛好家は、上質なタイムピースもこよなく愛する。その逆も然りといえます。

 

 私は現代のクルマにはあまり関心がありません。クラシックカーのようなコレクション性を獲得するとは思えないのです。クラシックカーは電子部品を搭載していないため、比較的容易に修理できますから。最近、あるスポーツカーの電子部品を入手しようとしたところ、メーカーから供給不能と告げられました。そのクルマはまだ20年ほどしか経っていないものでした。電子部品を搭載したとたん厄介になるというのが個人的な印象です。

 

 

元レーシングドライバー、ジャッキー・イクス氏は、ショパールのアンバサダーでもあり、ショイフレ氏の親しい友人でもある。

 

 

 クラフツマンシップは私の身近に常にありました。若い頃は、あちこちの工房を訪れ、職人の手仕事や道具を見て回りました。その仕事ぶりには感嘆するばかりでした。時計以外の分野でも、自分でジュエリーも製作しましたし、それに伴う困難も経験しました。また、長年にわたってクルマの車体やエンジンを修復する人々が参加するプロジェクトも目にしてきました。こうした経験のすべてが、クラフツマンシップに対する私の愛情と感謝を大いに深めてくれました。

 

 

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