Jim White Interview

ニューワールドの域を超越したワイン
「クラウディー ベイ」の洗練

June 2018

text miyako akiyama

 

ジム・ホワイト / Jim White

オーストラリア、メルボルン出身。メルボルン大学で農業とブドウ栽培学を修めた後、ワインの世界へ。2010年よりクラウディー ベイでブドウ栽培責任者を務め、2018年5月よりテクニカル・ディレクターに。大自然をこよなく愛し、プライベートでは一男一女の良きパパでもある。

 

 

 

 ニューとオールド、それはどこかに一線を画し、対極をなすものを指す概念だ。ワインの世界で言えば、ニューワールドとオールドワールドがそれ。これは歴史上の「新大陸」と同じ発想で、すなわち、フランス、イタリア、スペインなどヨーロッパ大航海時代からワインを造っているオールドワールドと、それ以降にワイン造りが伝わったアメリカ、オーストラリア、チリ、アルゼンチンなどのニューワールドである。

 

 ながらく、ニューワールドのワインはコストパフォーマンスが高く(つまり比較的安価で)、カジュアルに飲むタイプが多いと言われてきたが、この20年ほど、その品質の高さがワイン評論家たちから注目されるプレミアムなワインレンジも増えてきた。

 

「僕はその考え方、少し保守的過ぎない? と思うんですよ。なぜならニュージーランドのワインは産出量でいえば世界で生産されるワインのわずか1%に過ぎないものの、平均価格でいえばフランスに次ぐ世界第2位なんです。これは、ニュージーランドのワインがいかに高く評価されているか、ということ。そしてそれはクラウディー ベイがニュージーランドのワインに大きく貢献した結果でもあると自負しています」

 

 と語るのはニュージーランドのワイナリー「クラウディー ベイ」でテクニカル・ディレクターを務めるジム・ホワイト氏。「クラウディー ベイ」は1985年にニュージーランド南島の北端、マールボロで創業したワイナリー。いまはワイン産地として知られるマールボロを世界へ広めたパイオニアとしても知られている。

 

 

 

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