HOW TO SPOT AN ILL-FITTING SUIT

スーツのサイズが合っているかどうかの見分け方

April 2022

サルトリアの第一人者である筆者が、サイズの合わないスーツを見分けるための5つのヒントを紹介する。

 

 

by CHRISTOPHER MODOO

 

 

 

 

 毎日、次のような人たちを目にする。間違ったサイズのスーツを着て、安っぽい革靴を履いて、15分の通勤に必要なすべての必需品を入れたナイロン製のリュックサックを持っている男たちだ。そのスーツが、どれほど自分に似合っていないかを知っているのだろうか? ポケットから最新のiPhoneを取り出すのを見ると、彼らはそれ以上のものに興味がないのだろうと諦める。状況を少しでもよくするために、スーツが身体にフィットしているかどうか確認する方法を紹介しよう。

 

ラペルが反っている

 ジャケットのラペルは、胸に対してフラットに沿っているべきだ。サイズが小さすぎたり、サイドシームが入りすぎていたりすると、ラペルが外側に反ってしまう。残念ながら、スキニーフィット・スーツの多くは胸のシェイプが足りないため、自然にこのような形になってしまう。ネット上でも、”現代の正しい着こなし “として、このような残念な例が大真面目に紹介されているのを目にしたことがある。内ポケットにマジックテープの分厚い財布を詰め込むと、この問題はさらに深刻になるだろう。

 

トラウザーズが脚に引っかかっている

 トラウザーズの丈は、正しいブレイクが得られるよう調整することができる。しかし、トラウザーズが脚に引っかかってしまっている場合は別だ。これは、トラウザーズの幅が狭すぎるために、布地がふくらはぎの筋肉に吊られてしまっていることが原因だ。ビスポークのトラウザーメーカーは、トラウザーズがまっすぐ落ちるように、ふくらはぎの部分を入念にプレスする。ヒップから裾まで、途切れることなく連続したラインであることが大切だ。テーラードのトラウザーズは、ジーンズのように身体にフィットするものではない。

 

ジャケットが短すぎる

 いつになったらこの狂気は収まるのだろうか? 1990年代後半、リチャード・ジェームスなどの影響でスーツのジャケット丈は長くなり、それは2000年代に入っても続いた。しかしその後、トレンドは逆転し、どんどん短くなっていった。それは明らかに行き過ぎたものだった。ジャケットはトラウザーズの尻部分を覆わなければならない。短すぎるジャケットは滑稽であり、フィットしていないトラウザーズをさらに目立たせるのだ。

 

袖裏にシワができている

 マニアックな話だが、ジャケットの袖をわざと前に振って、ハンガーにかけたときにきれいに見えるようにしているブランドがある。しかし、多くの男性は腕を横にして立つので、袖裏にシワが寄ってしまうのだ。ブランドのコンセプトは、“フィット感よりもハンガーアピールが大事”ということであろう。“袖の裏なんて誰が見るんだ”かもしれない。これからはそんなところもチェックしてみてほしい。

 

ジャケットの襟が首から離れている

 ジャケットの襟はシャツの襟に沿っているべきだが、上着が小さすぎたり、作りが雑だったり、何も考えずにリュックサックばかりを背負っていると、襟が首から離れた位置に来ることになる。スーツの正しいサイズ選びとは、できるだけ小さいサイズを選ぶということではない。ピタピタのスーツを着れば若々しく見える、などということはありえないのだ。