How to Match the Right Shoes With the Right Suit

正しいスーツに合う正しい靴の選び方

October 2024

メンズウェアに関しては、たくさんのルールがある。ベストな装いのためには、それらを知っておくことが大切だ。たとえば、靴とスーツを正しく組み合わせることは非常に重要なことである。

 

 

text charlie thomas

 

 

 

 

 メンズウェアには多くのルールがある。これは必ずしも悪いことではない。もちろん、誰もが自分の好きな服を着るべきであり、すべてのルールを破っても素敵に見える人もいる。しかし、ほとんどの人にとっては、いくつかのルールを守ることで、さらに良い印象を与えることができる。

 

 これは、テーラリングにも確実に当てはまる。THE RAKEは、10年以上にわたって、スタイルのルールを学び、そして破る方法を提案してきた。しかし、伝統や昔ながらのルールを知らずして、成功はありえない。たとえば、正しい靴とスーツを組み合わせることは非常に重要である。せっかく手に入れた完璧にフィットしたスーツを、選び間違えたブローグで台なしにしてしまうのはもったいない。スタイル、色や素材に至るまで、正しい靴とスーツの組み合わせ方を解説していこう。

 

 

 

オックスフォードシューズ

 

 オックスフォードシューズは、最もフォーマルな靴のスタイルのひとつである。最大の特徴は「クローズドレース(閉じられたレース)」で、靴ひものアイレットがバンプ(甲革)に直接縫い込まれている。これにより、非常にシャープで洗練されたシルエットが生まれ、靴のフォルムがスリムになり、足の形によりフィットする。

 

 オックスフォードシューズは通常、細めのラストと彫刻的なシルエットを持ち、スマートな外観を演出する。そのため、フォーマルなビジネススーツとの相性が非常に良い。特に黒のオックスフォードは最もフォーマルな選択肢のひとつであり、構造がしっかりしたネイビーやグレーのスーツと絶妙にマッチする。茶色のオックスフォードは少しカジュアル寄りであり、ロンドンのシティではあまり見られないが、ネイビーやブルーのテーラリングとよくマッチする。

 

 スーツに合わせるために1足だけ靴を買うなら、オックスフォードが良いのか?

 

「ルール上ではそうです」と、クロケット&ジョーンズのブランドディレクター、ジェームズ・フォックス氏は語る。

 

「しかし、今日では、スーツに合わせる靴としては、オックスフォードよりもローファーの方がよく売れています。生活がよりリラックスしたものになったからです。ローファーは着脱が簡単で、履き心地も良く、保守的なオックスフォードよりも現代的です。それでも、オックスフォードの需要は依然として多いのです」

 

 

 

 

 

ダービー

 

 ダービーシューズは、オックスフォードシューズに比べてややカジュアルな選択肢である。特徴的なのは「オープンレース(開放型のレース)」で、アイレットパネルがバンプの上に縫い付けられている点だ。これにより、オックスフォードのような一体感のあるラインがなくなり、ややボリュームのあるフォルムとなり、通常、履き心地も良くなる。

 

 さらにカジュアルな印象を与える要因として、ダービーシューズは通常、広めのラストで作られていることが挙げられる。このスタイルの起源は、歩行や狩猟といった活動にあり、快適さと耐久性が重視されている。そのため、ダービーシューズは足が広い人により適しており、そのデザイン自体もより多彩である。

 

 

 

ローファー

 

 ローファーには多くの異なるスタイルが存在するが、テーラリングと組み合わせやすいのは、特にペニーローファーとタッセルローファーの2つである。ペニーローファーは1930年代にノルウェーで誕生し、当初は農民たちが履いていた靴で、バンプに小さなペニー硬貨が挟める独特の切り込みがついている。一方、タッセルローファーは、前面に結び目のついたタッセル(房飾り)が付いており、一般的にペニーローファーよりも細長くエレガントなシルエットを持つ。

 

「かつて最も汎用性の高い靴はダービーでしたが、今日ではペニーローファーでしょう」と、ジェームズ・フォックス氏は言う。

 

「ペニーローファーはドレスアップにもダウンにも似合います。ダークブラウンのカーフやスエードなど、クロスオーバーなカラーを選ぶとさらに汎用性が広がるでしょう。ドライブ時にも快適で、今ではクラシックなオックスフォードよりも、ラバーソールのダークブラウンのスエード製ペニーローファーのほうがよく売れています。時代は変わりましたが、私たちはこの現代的で多様なライフスタイルを楽しんでいます。英国の靴職人として、世界中で販売されているコレクションの深みを増すために、さまざまな靴のバリエーションに挑戦しています」

 

 

 

 

 

スエード・シューズ

 

 スエードは、フットウェアにおいて過小評価されがちである。柔らかく、テクスチャーのある仕上がりは、リラックスした雰囲気を生み出す。スエードシューズは、コットン、リネン、シルク、あるいはそれらをブレンドした軽量の夏用スーツに最適だ。特に、ブラウンのスエードローファーは非常に汎用性が高く、ほぼすべての色調の夏のスーツと相性が良い。

 

「アマルフィ海岸での夏の結婚式にリネンスーツを身に着けたいなら、足元はスエードローファーがいいでしょう。特にわれわれのアンラインド、アンコンストラクテッドなローファーコレクションが最適です」とジェームズ・フォックス氏は胸を張る。

 

「レザーソールとラバーソールのどちらも選べます。ラバーソールは耐久性と快適さを提供しますが、レザーソールはより伝統的で、スウェイジー(アメリカの俳優パトリック・スウェイジのような自由でカジュアルなスタイル)といえます」