HOW TO ENJOY “KINOBI”
京都生まれの自然派ジン「季の美」
August 2020
「季の美 京都ドライジン」。度数は45%。¥5,000(税抜)
まずこのジンには、一般的なドライジンで使用されるコーンや小麦などが原料のスピリッツは使用されておらず、ライススピリッツが用いられている。日本でもジンは数多く作られているが、基本的にその土地に根付いた原料を使う酒造り(日本酒や焼酎を例にとっていただければお分かりだろう)にもかかわらず、ライススピリッツを用いたジンはそうない。
他のスピリッツと比較すると高価ではあるが、贅沢で、理想的な仕上がりのスピリッツが完成するのだという。口馴染みのよさ、深い味わい、個性的なアロマは、ここからすでに生まれているのだ。
そして、ジンにおいて違いが顕著に現れるのが“ボタニカル”だ。「季の美」では、日本産、特に京都産の高品質でオリジナルな素材を中心に、50種類以上の候補の中から11種類が厳選され、基本となるジュニパーベリーにはじまり、オリスや檜、柚子やレモン、玉露や笹、生姜に山椒に木の芽に紫蘇と、見事に日本ならではの原料ばかりが用いられている。
なかでも柚子、レモン、紫蘇、山椒、木の芽、笹、生姜においては、フレッシュなものが使用されており、柚子に至っては京都各地の柚子を収穫後、手作業で果皮をむき、真空冷凍するというこだわりよう。生姜についても、京都は綾部市の契約農家から入手しているという。
毎年味わいが微かに異なるフレッシュな材料を使うことで、安定した味わいの原酒を作ることは難しくなるにもかかわらず、彼らが理想とする「ジン」を作り上げるために。そういった手間は一切惜しまないのだ。