HEROES OF THE FRONTIER

世界随一のコレクターが語る
オーデマ ピゲの魅力

Saturday, May 2nd, 2020

 これほど目覚ましい時計を完成させても創作意欲に変化がなかったのがオーデマ ピゲらしいとシャリー氏は付け加える。

 

「オーデマ ピゲは、“これはヒットだ。限定生産として支持者や顧客を喜ばせておこう”と言うこともできました。ところが同社は2019年、ダイヤルをオープンワーク構造にした別モデルを発表したのです。このモデルのクラフツマンシップはまるで別次元です。パーペチュアルカレンダーのムーブメント製造に注ぎ込まれてきた高度な仕上げ技術と思考を、視覚で感じることができるのですから」

 

 

「ロイヤル オーク スケルトン パーペチュアルカレンダー」自動巻き、PTケース、39mm。property of ‘Shary’

 

 

 シャリー氏は、「ロイヤル オーク」シリーズの初代“ジャンボ”と、「ジュール オーデマ」シリーズもお気に入りだという。現在狙っているモデルとして挙げるのは、2本。ひとつは、オークションで何度も落札寸前となったものの未だ入手に至っていないという90年代初期の「ジョン・シェーファー ミニッツリピーター」。そしてもうひとつは、「ジュール オーデマ イクエーション オブ タイム」。この現代に必要とはいえないコンプリケーションにこそ興奮を覚えるのだという。

 

 彼がオーデマ ピゲの未来に望むこととは何だろうか。昨年発表された最新コレクション「Code 11.59 by Audemars Piguet」が、「ロイヤル オーク」に馴染みのない次世代にもそのDNAを組み込んだ時計を提供していることに注目しつつ、彼はこう述べる。

 

 

ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダー」自動巻き、ブラックセラミックケース、41mm。property of ‘Shary’

 

 

「コレクターの観点からいえば、ブランドの豊かな歴史が紡ぎ出すDNAと、ルノー・エ・パピの熟練技術を組み合わせた時計が増えれば嬉しいですね。ルノー・エ・パピとは、オーデマ ピゲの傘下にあるムーブメントメーカーで、業界屈指のムーブメントを生み出していますから」

 

 オーデマ ピゲには、“過去の自社製品”という非常に手強い競争相手がいる。だが、この偉大なスイス企業から今後も数々の傑作が生まれることを予感しているのは、シャリー氏だけではない。

 

 

 

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