GRAND PRIX D’HORLOGERIE DE GENÈVE

時計界のアカデミー賞、“GPHG”とは何か?

April 2023

01- Made in Japan
世界が日本に注目している!

Chronometry Prize 2022

GRAND SEIKO
Kodo コンスタントフォース・トゥールビヨン
トゥールビヨンとコンスタントフォースを同軸上に一体化し組み込んだ画期的なメカニズムが評価された。ふたつの機構が奏でる音を「Kodo(鼓動)」としたセンスも秀逸。コンプリケーション分野でもついに高評価を得た。世界限定20本。手巻き、Pt・ブリリアントハードチタンケース、43.8mm。

 安価で正確な日本製クオーツウォッチの台頭によって壊滅的な危機に追い込まれたスイス時計業界にとって、日本の時計メーカーは不倶戴天のライバル。中でもグランドセイコー(およびセイコーウオッチ)の存在は、やはり無視できないようだ。2014年に「“Petite Aiguille” Prize」を獲得して以降、定期的に主要賞を獲得するようになり、現在では同じくジュネーブで開催されている国際時計見本市「Watches & Wonders」にも参加するほどのポジションを築いている。

 そもそもヒゲゼンマイといった特殊なパーツまで自社製造できるマニュファクチュールはスイスにも数ブランドしかなく、創業者ファミリーが今でも経営しているのも珍しいこと。精度技術や新機構に対する研究にも力を入れており、ひょっとするとスイスよりもグランドセイコーの方が、時計愛が強いといえるかもしれない。

 もちろん作っている製品が魅力的であることは大前提だが、そういった真摯な姿勢があるからこそ、プロフェッショナルたちからも愛されるのだろう。

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