CHOPARD “ALPINE EAGLE”

3世代が紡ぐストーリー

August 2020

 

 メゾンの経営に参画したばかりの、22歳の若きカール‐フリードリッヒ氏は、ここでバカンスを楽しむ人たちのためのスポーツウォッチを作りたいと、当時社長を務めていた現会長の父カール・ショイフレ氏に進言した。彼がプレゼンテーションしたのは、ブレスレット一体型のステンレススティール製ウォッチ。しかし、父はすぐにそれを却下。何故なら当時、高級時計はゴールド製が当たり前の時代であり、ショパールもゴールドウォッチだけを製作していたからだ。

 

 若さゆえの無謀な冒険心と一蹴されても、カール‐フリードリッヒ氏は決して諦めず、父を説得し続けた。彼が提示したデザインスケッチの斬新さにどこか共感を覚えた父は、やがてその熱意に負け、息子のプロジェクトにゴーサインを出した。かくしてショパール初のステンレススティールにして初のスポーツウォッチ「サンモリッツ」は、世に送り出されたのだ。

 

 ブレスレットはケースと完全に一体化。ベゼルにはふたつの山状のディテールが4方向に突き出し、それを8つのビスで固定する。そんなスポーティな外観に、ダイヤルに置いたともにスリムな針とローマンインデックスとがエレガンスを添える。ショパールにとっての新たなスタイルを打ち出したサンモリッツは、カール‐フリードリッヒ氏が望んだように、アルプスの高級リゾートに集う上流階級に大歓迎された。そしてその後10年にわたってロングセラーを続け、メゾンの重要なアイコンとなり、役目を終えたのだった。

 

 

左:ショパール初のSS製ウォッチサンモリッツ。8本のビスがデザインにアクセントを添える/右:サンモリッツ発売当時の広告ビジュアル。ゴルフやスキーといったスポーツシーンに似合う時計であることをアピールする。

 

1 2 3 4 5