Thursday, June 13th, 2024
マンダリン オリエンタル 東京のイタリア料理「ケシキ」に新料理長が就任
マンダリン オリエンタル 東京の38階に位置するイタリアンダイニング「ケシキ」の新料理長として、イタリア南部のサレルノ出身のフルビオ・ベントゥーラ氏が就任した。
イタリアやクウェート、インドで料理人として研鑽を積んできた氏が提供するのは、異なるコンセプトのコース料理2種。ひとつは、南イタリアの定番料理を中心にイタリア各地の郷土料理も取り入れた「IL CLASSICO(イル・クラシコ)」、もうひとつはイタリア料理に影響を与えた北アフリカやレバント地方の調理法を用いた「IL NUOVO(イル・ヌオーヴォ)」だ。
特にイタリア語で“新しい”を意味する後者のコースには、フルビオ氏の感性が光る、氏にしか作り出せないスペシャリテが集約されている。たとえば、「ズッキーニスカペーチェ 花のフリット」は、カリッと揚げたズッキーニの花の中にレモンと黒胡椒を加えたリコッタチーズを詰めた一品。ズッキーニの上にストライプ状に添えられたサフランソース、そしてミントと白ワインビネガーを加えた緑色のソースが爽やかさをプラスしてくれる。また、「牡蠣のチャコールローストと蛍烏賊の自家製スパゲットーニ」は、スパゲットーニをリゾットのように作り上げた一皿。上にかけられている焦がしレモンパウダーは、シェフがかつて働いていた中東の文化からインスピレーションを得たもので、その微かな香ばしさが絶妙なアクセントになっている。
それぞれの食材を生かす調理法で、旬を取り入れたイタリア料理を提供するため、3カ月ごとにメニューが替わるという。「料理を通じてお客さまとつながり、お客さまを大切に思う私たちの思いが伝わるような料理を届けたい」とシェフは語る。
text: yukina tokida