RED TARTAN by JEREMY HACKETT & VITALE BARBERIS CANONICO
ハケット氏、タータンの着こなしを考える
July 2022
photography nick tydeman
グリーンルームにて。ディナージャケットのフォーマルな装い。
この日撮影を行ったサヴィル・ロウストアはハケット氏の長年の夢が結実した場所だ。ビスポーク、MTM、既製服のすべてを取り揃え、「グリーンルーム」と名づけたゲストルーム、専用のオフィスもある。いわば、ハケット氏の第二の家で、2019年11月にオープンした。ロンドンで感染拡大防止の全制限が撤廃され、顧客はスーツへ戻りつつある。特にビスポークのセールスが非常に好調だ。同時に、カジュアルウェアとスーツ、双方の重要性を改めて認識していると語る。
「今までとは違うカジュアルウェアが求められている。家で寛ぐときにカーディガンの代わりにドレッシングガウンを羽織って少しドレスアップする。ドレスダウンするときはハリーとマフィン(ハケット氏の愛犬)との散歩にチョージャケットを羽織る。このチョージャケットはライニングがないライトウェイトバージョンだが、キルティングを施した別バージョンも考えている。襟のコーデュロイがアクセントだ。好評なら既製服での展開も考えている」
王室由来のスチュアート朝のパターンに敬意を表し、ハケット氏はサヴィル・ロウストアから愛犬ハリーとマフィンの散歩に、グリーンパークを抜け、バッキンガム宮殿へと足を延ばした。
奇しくもこの日はエリザベス女王2世の戴冠70周年記念を祝う記念式典の日で、騎兵隊の行進に加え、英国陸軍近衛軍楽隊のマーチも続き、バッキンガム宮殿は祝賀ムードに包まれていた。
「今日は大事な撮影だから女王と騎馬隊に特別なパレードを頼んでおいたんだ。すべてが上手くいったね」と冗談を言いながらハケット氏は満足そうにシガーを吸った。
「このようにドレスアップもドレスダウンもできる。それが今の時代に相応しい、スコティッシュタータンの魅力だ」
日本ではヴァルカナイズ・ロンドンのMTMにてオーダー受付予定だ。
Art.5.857/1 360gVBCを代表するオリジナルウールンフランネルによるヴァージンウール100%を使用したスコティッシュタータン。豊かな色彩としなやかなタッチ、快適な着心地、フランネルとしては摩擦に強く膝の抜けにくい耐久性を備えたベストセラー。