PATEK PHILIPPE WATCH ART GRAND EXHIBITION

歴史的価値を知る、過去最大級の展示

June 2020

パテック フィリップの時計作りの文化と伝統、そして情熱を体験するイベント
「ウォッチアート・グランド・エグジビション」が、シンガポールで開催された。
text tetsuo shinoda

特別記念モデル
Ref.5303
ミニット・リピーター・トゥールビヨン
このエグジビションのために12本のみ製作された特別なグランド・コンプリケーションウォッチ。リピーター機構とトゥールビヨン機構が文字盤側から観賞できるレイアウトは、同社では初の試みとなる。ミニッツトラックは、シンガポールの国旗カラーをイメージしてレッドに。針も肉抜き仕上げを施しており、細部まで綺麗に見えるようにしている。手巻き、18KRGケース、42mm。時価 Patek Philippe(パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター Tel.03-3255-8109)

 スイスの高級時計産業は、土地と深く結びついている。地方ごとに特色がある文化や伝統が、時計のデザインや仕上げに反映され、地元で生まれ育った時計職人たちの手を経て生まれる。だから、工業製品でありながら人の手の温かみを感じるのだ。その傾向は、伝統ある老舗ブランドほど強い。時計が生まれた背景や物語を理解し、見えない価値まで感じ取るのが、高級時計の楽しみ方なのだ。

 パテック フィリップでは、そういった知見を広げるために、過去4度にわたって、時計製作技術と創作タイムピースを展示するイベント「ウォッチアート・グランド・エグジビション」を世界各地で開催してきた。名門マニュファクチュールの舞台裏を見せることで、時計作りへの信念や優れた技術、文化や伝統を体感できるというイベント。第5回目となった今回はシンガポールが舞台となった。

 会場となるマリーナベイ・サンズ・シアターに10のテーマ・ルームを作り、パテック フィリップの世界を表現。部屋の一部を紹介すると、ジュネーブにあるパテック フィリップ・サロンの内装に準拠した現行品のコレクション・ルームやパテック フィリップ・ミュージアムから貸し出された歴史的タイムピースの部屋、そして時計師や装飾職人によるプレゼンテーションが行われる部屋など、さまざまな面からパテック フィリップが語られる。

本記事は2019年11月25日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 31

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