MARQUESS BESPOKE

本家英国の靴名人に心酔された男

February 2015


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SHOJI KAWAGUCHI / 川口昭司1980年福岡県生まれ。2002年に渡英し、靴職業訓練学校で靴作りを学び、2003年よりビスポーク靴職人に弟子入り。フォスター&サン、エドワード グリーン、ガジアーノ&ガーリングなどのビスポーク靴の製作に従事し、2008年に帰国。2011年に自身のブランド“マーキス ビスポーク”を始動。

ショールームは江戸川橋にあり、オーダーの際はここで受け付ける。いつも笑顔でとても謙虚な方だが、靴の話になると熱弁をふるいだす。ちなみにスーツはペコラで誂えたもの。

 フィッティングに対しても強いこだわりをもち、いかに快適に、かつ美しく見せるかにこだわっている。“快適に”の部分では、ベロのアタリを出さないよう、裏の充て革を省いたり、ライニングのステッチを最小限に抑えたりするこだわりようだ。“美しく”に関しては、正解はひとつではないが、例えば足の肉を縦に持ち上げてフィットさせ、その状態でどこで支えるかをその人の足から判断してラストメイキングし、足を細く見せている。

 奥様である由利子さんの存在も欠かせない。同じ師匠のもとで同時期に英国で靴作りを学んだ彼女は、凄腕のアッパーの縫製担当として氏の仕事を支えている。最高の理解者であり最良のパートナーだ。

 はたしてこれ以上進化の余地があるのだろうか、とマーキスの靴は思わせるが、いや彼は絶対に止まらない。

本記事は2015年1月24日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 02

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