November 2022

LIFE WITH MARS

ジャンルを飛び越す才能
俳優:ジェームズ・マースデン

text tom chamberlin
photography kurt iswarienko
stylist ilaria urbinati

スエードジャケット 参考商品、ハーフジップニット 参考商品、Tシャツ ¥46,200、トラウザーズ 参考商品 all by Brunello Cucinelli
時計 property of James Marsden

スーパーヒーロー役でブレイク 2000年代に入り、まだ誇れる実績がほとんどなかったマースデンは、『X-メン』(2000年)にキャスティングされたことで、新世代のスーパーヒーロー映画という新たな適所を見つけた。当時、スーパーヒーロー映画に出るというのは、現代でマーベルやDCコミックの映画にキャスティングされることとはまったく違い、ある種“お試し”的だった。マースデンは目から破壊光線を発射するサイクロップス役で、他の共演者には、まだ新人だったウルヴァリン役のヒュー・ジャックマンや、『チョコレート』(2001年)でオスカーを獲る前のハル・ベリー、そして「スター・トレック」シリーズで知られていたパトリック・スチュワートがいた。その誰もが、ヒーロー映画の方向性がここまで変わるとは思っていなかっただろう。彼らは、後に累計数十億ドルの興行収入を上げるフランチャイズの先駆者となるのだ。『X-メン』の出演にはいいことも悪いこともあった、とマースデンは回想する。

「オーディションを受けたのがロサンゼルスに住んで5年経った頃だった。出演が決まれば初めての大ヒット作になりそうだったから、できるだけ背を高く見せるために大きなブーツを探してオーディションに臨んだことを思い出すよ。スーパーヒーローらしく歩きたかったから、オーディションの直前にトイレで腕立て伏せとアームカールを50回はやったな(笑)」

GROOMING: DAN STANWELL AT THE WALL GROUP
PRODUCTION: GARETT QUIGLEY

本記事は2022年7月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 47

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