August 2021

GRAND TOURER

ベントレー コンチネンタル GTと往く旅

クルマを単に実用的な道具としてとらえることはできる。
しかし遠くのものを手の届く距離に感じさせてくれるその能力には、今まで以上に抗いがたい魅力を感じる。
ベントレー コンチネンタル GTならば、それはもう完璧だ。
photography kirk truman

ベージュのリネンミックスのダブル・ジャケット、クリーム色のカシミア製クルーネックニット、ホワイトのコットン・リネンのトラウザーズ all by Caruso at The Rake
ブラウンのスエードローファー Crockett & Jones at The Rake

The Ultimate Grand Touring Experience
真のGTといえる存在

Bentley Continental GT
(ベントレー コンチネンタル GT)
全長×全幅×全高:4,880×1,965×1,405mm/エンジン:W12気筒ツインターボ/排気量:5,945cc/最高出力:635ps@5,000-6,000rpm/最大トルク:900Nm@1,350-4,500rpm/0-100km/h加速:3.7秒/最高速度:333km/h ¥27,335,000 Bentley(ベントレーコール Tel.0120-97-7797)

長く、低く、エッジィなスタイリングが印象的。LEDを採用したヘッドランプが宝石のようにきらめく。

 17世紀より始まった“グランド・ツアー”とは、英国の裕福な貴族の子弟が、その見聞を広めるために欧州大陸に渡り、旅することを意味した。最初のアシは馬車だったが、それは20世紀になり、自動車に取って代わった。吉田茂の懐刀として知られた白洲次郎も、留学先のケンブリッジ・クレアカレッジを卒業するにあたり、親友ロビン(本物の貴族)を誘ってグランド・ツアーへでかけた。1925〜26年にかけて、仏パリ、マルセイユ、スペインのセビリア、マドリードなどを回っている。その時の愛車として駆ったのが、ベントレー3Lスピードモデルであった。

 コンチネンタル GTは、次郎が愛したベントレー直系の子孫である。その出自“貴族のための高速移動装置”というコンセプトを色濃く残している。6L W12気筒エンジンは635psの最高出力を叩き出し、最高速度は333km/hにも達する。しかしながら、その室内はあくまで優雅でエレガント。ダッシュボードには艷やかなウッド、シートやトリムには最高級レザーが奢られ、貴族の館さもありなん、といった風情である。ベントレー コンチネンタル GTは、その名の通り、グランド・ツアラーの王道を往く存在なのだ。

キャビン全体を取り囲むように配されたウッドパネルとダイヤモンド・パターンを採用したレザーシート。贅を尽くしたインテリアには、数多くのカラーバリエーションが用意されている。センタースクリーンはオプションで、ローテーション式も選べる。

本記事は2021年7月26日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 41

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