BENTLEY CONTINENTAL GT SPEED

人生を豊かにするグランドツアラー

September 2022

ベントレー史上最もパフォーマンス重視で最高の運動性能を誇り、快適性と豪華さにも妥協のないコンチネンタルGT スビードは、極上のグランドツアラーだ。

 

 

 

text KUMI SATO

 

 

 


Bentley Continental GT Speed
このモデル専用にチューニングされたエンジンは最先端のシャシー、アクティブAWD、8速DCTと組み合わされ、最もパワフルなベントレーのグランドツアラーの座に君臨する。エンジン:5,950cc W12 ツインターボ/最高出力:659ps/5,000-6,000rpm/最大トルク:900Nm/1,500-5,000rpm/全長×全幅×全高:4,880×1,965×1,405mm/乾燥重量: 2,310kg

 

 

 

 新たにコンフォート志向の「アズール」というグレードが用意されたため、ベントレー コンチネンタル GT スピードは、よりパフォーマンス志向のモデルへと昇華した。6リッターW12気筒エンジンは、24psアップの659ps。最大トルクは従来と変わらず900Nm。このハイスペックから想像するに、猛々しい走りなのではないかと思ってしまうが、無駄にパワーをアピールすることもなく、実にジェントルだ。

 

 例えば、アクセルペダルを踏み込むと、ちゃんと踏んだ分だけ反応してくれるが、ドライバーをナーバスにさせる過敏さはない。アクセルに限らず、すべての操作に対して、ドライバーに寄り添ってくれる感覚がある。ドイツ車のGTは目的地に早く着くという発想が感じられるが、ベントレーは移動の「時間」や「空間」も是非楽しんで、と言われているようで、急き立てられるような雰囲気は微塵もなく、高速道路でも、のんびりゆったりしたペースと気分でクルージングできる。有り余るパワーは「ゆとり」として感じられ、優雅な走りはまさにグランドツアラーにふさわしい。

 

 

 

 

 一方、ワインディングに入ると気配が変わり、テンションが上がった。重厚感のある走りなのにフットワークはよく、気持ちよく曲がる。「エレクトロニック・オールホイール・ステアリング」、つまり、四輪操舵も奏功しているようだが、リヤタイヤもステアしているという違和感はまったくない。その他にもさまざまな電子制御が複雑に介入しコントロールしているのだが、黒子に徹し、本当に、ドライバーの意図を汲んで気分よくドライブさせてくれる。そして、コーナーの出口でアクセルを踏んだ瞬間、路面を強烈に蹴飛ばすように加速する。ベントレー初となる「エレクトロニック・リヤ・デファレンシャル」が採用されたが、まさか一般道でその効果を体感できるとは思わなかった。ドライブモードを「スポーツ」にすると、スポーツカーに豹変する。こんな二面性もイギリス車の魅力だろう。

 

 最近、ベントレーは「ウェルビーイング」をコンセプトとして謳っているが、コンチネンタルGT スピードでプチ旅行をしてみてその意味を理解した。ゴージャスなインテリアの空間に身を置き、快適なドライブをしていると、疲れるはずのロングドライブも疲れないどころか癒やしとなり、ワインディングではドライビングプレジャーを味わい元気をもらえる。乗るほどにストレスフリーとなり解放されていく。そして、「移動」の先にある「コト体験」も心身をより豊かにしてくれる。今回は究極のグランドツアラーを駆り、人生を豊かにしてくれるベントレーの世界観に浸ることができた。