CODE 11.59 by Audemars Piguet
新時代のアイコンウォッチ
June 2020
これまでにも数多くの傑作を作ってきた。
2019年から始まった新コレクション
「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」は、
斬新ながら正統派で、スーツにも似合う時計である。
styling akihiro shikata grooming kaori sakihama(TORCH-LINK)
CODE 11.59バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ
シンプルな三針モデルから、トゥールビヨンやスーパーソヌリなどの超複雑機構まで幅広くラインナップする新コレクション。写真の、メカニカルな魅力が深いクロノグラフモデルは、新型ムーブメントCal.4401を搭載。ダイヤルカラーは2色。ネイビーを選ぶと、腕元に更なるこなれ感が生まれる。自動巻き、18KWG ケース、41mm。¥4,450,000 Audemars Piguet(オーデマ ピゲ ジャパン Tel.03-6830-0000)
スーツ¥725,000 Cesare Attolini × PLQ(ディエトロ レ クインテ Tel.03-6427-9894)
シャツ¥77,000 Dietro Le Quinte(ディエトロ レ クインテ Tel.03-6427-9894)
タイ¥28,000 Cesare Attolini(ディエトロ レ クインテ Tel.03-6427-9894)
26年ぶりの新コレクション 1875年に創業したオーデマ ピゲは、その長い歴史の中で数多くの複雑時計を作ってきた技巧派ブランド。そして紳士のための薄型ドレスウォッチでも、高い評価を得た。そして近年は1972年に誕生した“ラグジュアリー・スポーツウォッチ”の「ロイヤル オーク」が人気を集める。
しかしオーデマ ピゲは進化を止めない。今年は同社としては26年ぶり(つまり「ロイヤル オーク オフショア」以来ということ)となる新コレクション「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」が始動した。
“CODE 11.59”という意味深な名称は、この時計がオーデマ ピゲのさまざまな遺伝子コードを内包しているということを意味し、さらには1日の始まりの時間である12時の直前である11時59分を意味している。つまりはオーデマ ピゲの歴史や伝統、文化を継承する正統派でありながら、新たなオーデマ ピゲのアイコンとなる重要なコレクションなのだ。
そのユニークな個性は、時計を見るだけでわかる。まずはケース構造に特徴が表れる。時計の王道であるラウンドデザインに、ロイヤル オークの8角形デザインを融合させて立体構造のケースを作り、しかもそのディテールを見せるためにラグを中空構造にしている。ポリッシュとサテンで細部まで美しく仕上げる技術は、これまで培ってきた伝統の表れだ。
その姿からかなり前衛的にも見えるが、実はスーツにも似合う周到なデザインを取り入れている。例えばケースの直径は41mmで、厚みは12.6mm。存在感はあるが、ケースがカーブして入るために手首にすっと馴染み、シャツの袖口にも干渉しにくい。そしてベゼルを薄くしているため、必要以上に存在感をアピールしない。それでも袖口からチラリと見える時計のケースサイドの個性的な姿は、しっかりとアクセントになる。
これだけモノが氾濫している時代では、“新しい時計”を作るのは難しい。しかし、凡庸な腕元は退屈だ。だからこそ、この時計が気になるのだ。
本記事は2019年11月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。
THE RAKE JAPAN EDITION issue 31