January 2018

BRIDGE STYLE

冬から春へと繋ぐ

ファッションの世界ではもう春夏シーズンだが、まだまだ肌寒いこの時期に、春夏アイテムは見た目にも寒々しい。
とはいえ、冬のスタイルのままというのも洒落っ気を感じさせない。
そこで考えてほしいのが季節を繋ぐブリッジスタイル。
いわゆる冬から春への橋渡しをするスタイリングだが、重々しく見えない軽やかな装いで、それでいて暖かく快適に過ごせる。
新しいシーズンのアイテムも、オケージョンに合わせ知的にこなす。
そんなレイキッシュな流儀のいくつかを今回は紹介しよう。
photography simon lipman
fashion direction jo grzeszczuk
text koichi asano
Special thanks to The Gritti Palace, Venice

暖かみのある色みがこの時期には必要薄手のハイゲージニットは、その量感から春先はどうしても寒々しく見えてしまうので、見るからに暖かみの伝わるウォームカラー、特に今季はキャメルがトレンドとして台頭。

セーター Moncler
トラウザーズ AMI Alexandre Mattiussi
サングラス The Bespoke Dudes at The Rake
ベルト property of The Rake

Left:
格別のリラックス感を醸す春アウター春アイテムの代表格ともいえるのがこのニットジャケット。その仕様も裏地を排した1枚仕立てで、着心地はとてもリラックスしているため、Tシャツ等で軽く合わせるのが最良。

ニットジャケット Enlist
ウエストコート 参考商品 Brunello Cucinelli
Tシャツ 参考商品 Sunspel
トラウザーズ AMI Alexandre Mattiussi

Right:
梅春時期はネクタイで洒落のめす薄起毛のサキソニー素材のスーツは、冬を引きずるようなウールタイ等を合わせず、風合いに柔らかみのあるシルクニットタイ等を合わせることで梅春らしい軽快さを演出する。

ブレザー Thom Sweeney
トラウザーズ、ネクタイ、ポケットチーフ すべて参考商品 all by Ralph Lauren Purple Label
シャツ 参考商品 Brunello Cucinelli

Left:
清々しく見せるミニマムな着こなしデザインそのものに独特の重みのあるダブルブレストスーツは、白シャツ1枚をアンタイドで、といったミニマムな着こなしをすることで春らしい清々しい装いが完成する。

スーツ Cerruti 1881
シャツ Reda Slaoui
ポケットチーフ Calabrese 1924 at The Rake

Right:
後ろ姿に色気を漂わすのが紳士の嗜みコーデにばかり気を取られ、ついつい油断しがちな後ろ姿だが、身体にきちんとフィットしたスーツであれば、たとえ意識していなくても色気に満ちた後ろ姿を作り出す。

スーツ Hackett London
シャツ、靴下、シューズ property of The Rake

Left:
春コートはジャケット感覚で着る春先のコートは、重々しい冬スタイルにならないようジャケット感覚で着ることが鉄則で、そのためのインナー選びはできるだけ軽く、シャツ1枚等でさらりと着こなすのがいい。

コート Barena
トラウザーズ Anderson & Sheppard Haberdashery
シャツ Anderson & Sheppard Haberdashery at The Rake
スカーフ property of The Rake

Right:
躍動感のある装いが春の陽光に映える水面にきらめく柔らかな陽光を受けた男の姿は、躍動感のある若々しいスタイルが望ましく、そのためにもこれから迎える新しいシーズンを意識したスタイル作りが肝要だ。

コート、セーター both by Piacenza 1733

THE RAKE JAPAN EDITION issue 20

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