PLANETA  CHARDONNAY ON FIRE

プラネタ「シャルドネ」。炎が照らす、シチリアの30年

August 2026

プラネタは約500年にわたり、シチリアの大地と向き合ってきた。
その名を世界に知らしめた同社の「シャルドネ」は30年の節目を迎え、アートと環境保全を結ぶ特別な一本へと進化した。

 
 

text Yuko Fujita

 

プラネタ「CHARDONNAY ON FIRE」が繋ぐ、ワイン、アート、そして土地

 プラネタは、約500年、17世代にわたってシチリアで農業を営んできた一族をルーツに持つ。現在はメンフィ、ヴィットリア、ノート、エトナ、カーポ・ミラッツォという島内5つの地域に拠点を置き、それぞれの気候や土壌を生かしたワイン造りを行っている。シチリア固有のブドウ品種を見つめ直す一方、国際品種がこの島でどのような個性を表すのかについても、長年研究を続けてきた。

 

 その活動は、ワイン造りだけにとどまらない。オリーブオイルの生産をはじめ、ホテルやレストランの運営、現代アートを通じた文化活動にも取り組み、シチリアの自然、食、歴史、暮らしを広く伝えている。現在では、ブドウ畑やオリーブ畑を含むすべての耕作地が有機認証を受けており、土地の環境と景観を守ることも、プラネタの大切な理念となっている。

 

シチリア西部メンフィにある、プラネタのワイン造りの原点「バッリョ・ウルモ」。歴史ある農園建築で、現在はウルモ農園を訪れるゲストを迎えるホスピタリティの拠点となっている。

 

 そんなプラネタの大きな転機となったのが、「シャルドネ」である。

 

 1985年、シチリア西部のウルモにシャルドネの最初の苗木を植樹。試行錯誤の末に生まれた1994年ヴィンテージは、翌1995年に世に出ると国際的な評価を獲得し、シチリアワインの新たな可能性を世界に示した。

 

 当時、シチリアの固有品種は今日のように広く知られていなかった。そこでプラネタが選んだのが、世界中の飲み手に親しまれているシャルドネだった。誰もが知る品種を通して、島の土壌や気候が生み出す個性を伝える。「シャルドネ」は、シチリアと世界を結ぶ共通言語となったのである。

 

 今回の来日イベントで、オーナー兼醸造責任者のアレッシオ・プラネタ氏も、このワインがシチリアの可能性を世界へ伝えるうえで、大きな役割を果たしたと振り返った。

 

 最初のヴィンテージから約30年。その節目を象徴するのが、特別プロジェクト「CHARDONNAY ON FIRE」である。

 

2024年ヴィンテージの「プラネタ・シャルドネ」。通常ラベルに加え、クレール・フォンテーヌの《On Fire》を採用した特別ボトルも用意されている。

 

 ボトルを飾るのは、炎の絵文字を光の彫刻へと置き換えた作品「On Fire」。パレルモを拠点に活動するアートコレクティブ、クレール・フォンテーヌが手がけたものだ。短い記号によって感情を共有する絵文字に対し、ワインは人々を食卓へと招き、会話を生み出す。「On Fire」には、形は異なっても、人と人の間にコミュニケーションを生む両者の力が重ねられている。

 

 炎が象徴するのは、情熱やエネルギーだけではない。シチリアで深刻さを増す猛暑や乾燥、森林火災への警鐘でもある。30回目の収穫を祝う喜びと、気候変動に直面する土地への意識。このラベルはふたつの意味をひとつの炎で表現しているのだ。

 

 この取り組みは、ラベルのデザインだけでは終わらない。

 

 クレール・フォンテーヌとの協働による2024年ヴィンテージのジェロボアム(3000ml)が300本限定(日本へは15本のみの入荷)で製作され、その売上金は、シチリア南西部のセリヌンテ考古学公園に新たな散策路を整備するために使われる。乾燥や気候変動に強いシチリア固有の植物を植え、木陰や休憩場所を設ける計画だ。購入者の名前は、その散策路に設置される看板に記されるという。

 

今回の来日イベントで、「CHARDONNAY ON FIRE」のジェロボアムを手にする、プラネタのオーナー兼醸造責任者、アレッシオ・プラネタ氏。

 

 約30年前、プラネタの「シャルドネ」は、シチリアの魅力を世界へ伝えた。そして今、そのワインが生み出した価値は、自然や歴史ある風景を守るため、再び土地へと還されようとしている。

 

 日本も、この物語と深い関わりを持つ。プラネタが「シャルドネ」を初めて海外へ輸出した相手は、日本の日欧商事だった。世界への第一歩をともにした日本で、この節目を祝うことにも特別な意味がある。

 

 「CHARDONNAY ON FIRE」は、過去の成功を振り返るためだけの記念ボトルではない。

 

 一本のワインが歩んできた30年と、それを育てた土地の未来を、ひとつの炎で結ぶプロジェクトなのである。

 

 
 

(問)日欧商事 0120-200105

https://www.jetlc.co.jp/wine/brand/planeta/

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