世にも貴重なクジラとヒグマのオーダーベルト

text and photography yuko fujita

 

 

フィレンツェの街並み、建築、彫刻、宗教画、ルネッサンス期の幾何学模様などからインスピレーションを得てデザインしたバックルはシルバー925製。背面には牛ヌメ革を使用。サイズは5cm刻みでオーダー可。納期は約1カ月。左と中央のクジラ革ベルト各￥88,000、右のヒグマ革ベルト￥95,700（以上オーダー価格）Falco / Afterhours

 

 

 

　2010年にフィレンツェに渡り、2021年までイル・ミーチョの深谷秀隆氏に師事。帰国後、長野県佐久市に工房を構え、ビスポークシューズブランド「Falco（ファルコ）」を始動した。一躍ニッポンのトップシューメーカーのひとりとなった内山貴詞氏の魅力は、イタリアで培った高い技術と研ぎ澄まされた美への感性を融合させ、超稀少革による芸術品のように美しい靴を生み出すところにある。

 

　この度内山氏は、ヒグマとクジラのふたつの超稀少革を用意し、ベルトのメイド トゥ オーダーを始動させた。ヒグマの革はひとつひとつのシボが美しく立体的で、上品さの中に独特のエレガンスを漂わせている。クジラの革はスエードのような起毛があり、太く長くザラザラとした不均一でワイルドな毛並みが特徴だ。ともに表情豊かでありながら、クラシックなスタイルにスッと溶け込んでくれる。革好きにはたまらなくそそられる逸品である。

 

 

Takanori Uchiyama／内山 貴詞

1986年、兵庫県生まれ。20歳から名古屋で1年間靴作りを学んだのち、姫路に戻って渡伊に向け3年間貯蓄し、2010年にフィレンツェに渡る。イル・ミーチョの深谷秀隆氏のもとで修業を積み、2021年に帰国。奥様の地元である長野県佐久市に工房を構え、ビスポークシューズブランド「ファルコ」（￥280,000～）を始動。Instagram：@falco_shoemaker