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テキスタイルの巨人

Wednesday, May 13th, 2020

 

 実際のところ、同社はほぼ間違いなく、1663年より前から存在していた。その年は、サヴォイア公爵に毛織物を販売したことを証明する文書において、同社の最も古い取引として記された年に過ぎないからだ。

 

 18世紀半ば、工場はイタリア軍に制式供給するための重要な契約を勝ち取った。これにより収益は向上し、ビジネスは拡大した。

 

 1800年代には、産業革命によってもたらされた機械化を推進し、20世紀の初めには、プラトリヴェッロのファクトリーは完全に電化されていた。同社はヨーロッパや英国を越えて市場を開拓し、米国、インド、極東に布を輸出し始めた。

 

 

 

 

 会社は、イタリアのファシスト支配と第二次世界大戦という暗黒時代に数々の困難に直面し、労働者、電気、機械および材料の不足に悩まされたが、工場はそれでも稼働を続けることができた。

 

 戦争が終わると、VBCの経営陣はビジネスをアッパー・マーケットに集中させることを決定し、高品質のファブリック生産に特化するようになった。

 

 ドルチェ・ヴィータ時代から数十年の間、ヴィターレ・バルベリス・カノニコは、世界最高のテーラー、ファッション・ブランド、メンズ・クロージャーの間で、その評判を築き上げ、数少ない信頼できるファイン・テキスタイルのサプライヤーとしての地位を不動のものとした。

 

 このように最上級のオーストラリア・メリノウールから紡がれている同社のファブリックは、ブルネロ・クチネリ、キートン、ブリオーニ、グッチ、カナーリなどのメンズウェアのメジャーブランドに現在も多く使用されている。

 

 

 

 VBCのバンチは、多くの主要ビスポーク・テーラーで“必要不可欠”なファブリックとして顧客に提供されている。クライアントがスーツとなった時、その結果に満足することを確信できるファブリックであるからだ。

 

 そのようなテーラーのひとりであるシンガポールのケビン・シアーは言う。

 

「VBCは驚異的なバリエーションの豊かさを誇っており、その中にはスーパーファイン・ウールも多く含まれている。その薄さ、軽さにもかかわらず、テーラーにとって作るのが楽しい生地だ。仕上がりがとても美しいからだ」

 

 シアーは続ける。

 

「パターンやカラーについても、多くの選択肢がある。VBCのアーカイブには、何世紀もさかのぼるヴィンテージファブリックのコレクションが含まれており、デザイン・リファレンスとして使用されているからだ。さらに、工場の品質管理が非常に優れていることから注文したファブリックは常に完璧な状態で届く」

 

 その歴史、その規模、そしてその品質において、ヴィターレ・バルベリス・カノニコは、テキスタイル業界における最大の巨人だ。そのため、もしVBCのアーカイブとコレクション全体を探索するとなると、エノク並の寿命が必要になってしまうだろう。

 

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