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テキスタイルの巨人

Wednesday, May 13th, 2020

ヴィターレ・バルベリス・カノニコの豊かな歴史を探求する。

ここは1663年以来、世界の最高のテーラーに生地を収め続けているのだ。

 

by christian barker

 

 

ヴィターレ・バルベリス・カノニコの13代目のクリエイティブ・ディレクター、フランチェスコ・バルベリス・カノニコ。

 

 

 

 今まで聞いたことはないかもしれないが、“エノキアン協会”という名前の、秘密主義的で非常にエクスクルーシヴな組織が存在する。メンバーとなっている企業は、全世界で50未満。200年以上にわたって中断することなく運営され、現在でも創業家のメンバーで運営されていなければならないという厳しい基準を満たしている。

 

 そのなかで最も古いのが日本の温泉旅館“法師”だ。 AD 717に設立されたこのホテルは、世界で最も古い宿泊施設だ。そして信じられないことに、千年以上にわたり、同じ一族の手で、時の経過に耐え抜いてきた。

 

 協会の名前は、旧約聖書に登場するエノクに由来する。彼は地上で365年間生きた後、死ぬことなく天国に昇天したと書かれている。

 

 メンバー企業のひとつであるヴィターレ・バルベリス・カノニコ社は、エノキアンの名前の由来となった人物と、ほぼ同じ年齢に達した。つまり、1663年の設立以来、357年が経過したのだ。最高の生地を供給するこの名高いメーカーは、サルトリアのファンの間では“VBC”と略された名前でも知られている。

 

 現存する最古のファブリックメーカーのひとつというだけではなく、今日稼働している最古の家族経営の会社のひとつでもある。

 

 

 創業家の第13世代目が、現在のVBCをリードしている。クリエイティブ・ディレクターのフランチェスコ・バルベリス・カノニコは、7人のデザイナーを率いて、年間5,000を超えるファブリックのデザインを創造している。

 

 フランチェスコは、ファミリーである同社のCEOアレッサンドロ・バルベリス・カノニコ、およびCSR部門を率いるルチア・ビアンキ・マイオッキと協力し、約4世紀の伝統を持つヴィターレ・バルベリス・カノニコ社を運営していることを、とても誇りに思っている。

 

 工場はビエッラ近くのプラトリヴェッロにある。ミラノからクルマで1時間半ほどの距離だ(マセラティなら、もっと早いだろう)。

 

 ここでは、テクノロジーに特化した高速シャトル織機が年間約800万メートルの生地を生産している。この数字は、約250万着のスーツを作るのに十分な値である。

 

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