Veuve Clicquot Business Woman Award
200年前の女性起業家
マダム・クリコが日本女性をチアアップ
October 2019
text miyako akiyama
授賞式は隈研吾氏が手がけたT-LOTUS M(東京・天王洲)で開催。左より、ジャン=マルク・ギャロ(ヴーヴ・クリコ代表取締役CEO)、大石佳能子氏(株式会社メディヴァ代表取締役)、平野未来氏(株式会社シナモン代表取締役CEO)、キャロル・ビルデ(ヴーヴ・クリコインターナショナルコミュニケーション&マーケティングディレクター)
1772 年の創設より、常に革新を続けるシャンパーニュ・メゾン「ヴーヴ・クリコ」。その名は、二代目当主の妻であったマダム・クリコが夫亡き後、27歳の若さで事業を継承し、めざましい才覚でメゾンをさらに発展させたことから、彼女の名にヴーヴ(=仏語で未亡人)を冠し、「ヴーヴ・クリコ」とつけられた。
そのマダム・クリコの功績を讃え、革新的精神をもつビジネスウーマンの活動を表彰するのが「ヴーヴ・クリコビジネスウーマンアワード」だ。このアワードは1972年にメゾン設立200周年を記念して創設され、現在までに世界27カ国350名以上ものビジネスウーマンを表彰。起業家精神、創造性、企業の社会的責任などの観点から、マダム・クリコを体現したような女性に授与される「ビジネスウーマンアワード」と、マダム・クリコがもっていた革新性を象徴し、これからの活躍が期待される女性に授与される「ニュージェネレーションアワード」のふたつのアワードを授与している。
このアワード授与式のために来日したキャロル・ビルデ氏に話を聞いた。
「マダム・クリコはいまで言うイノベーターであり、偉大なる女性アントレプレナーでした。女性がビジネスに関わることなど稀な19世紀初頭のフランスにありながら、彼女はロシアに自社のシャンパーニュを売り込み、新しい市場を獲得しました。また、ボトル内の澱を瓶口に集める動瓶台の発明や、白ワインに赤ワインをブレンドして造るロゼ・シャンパーニュの技法など、彼女がもたらしたイノベーションは現代のシャンパーニュの製法に、大きな影響を与えています。彼女の功績を讃えることで、現代で活躍する女性たちの背中を押し、ヴーヴ・クリコの認知度向上にもつなげたい、というのが我々の想いです」
キャロル・ビルデ/ヴーヴ・クリコインターナショナルコミュニケーション&マーケティングディレクター
広告代理店にてキャリアを積み、Chloéのコミュニケーション・デジタル・Eコマースディレクターを経て18年9月より現職。
さらに今年6月には世界5カ国(日本、英国、香港、シンガポール、南アフリカ)で行った調査から、「女性起業家精神の国際的指標」を発表し、「Veuve Clicquot.Woman」フォーラムを初開催した。そこで明らかにされたのは、起業家になりたいと願うものの、メンタル的に、また社会的構造により、その志を阻められているビジネスウーマンたちの実情だ。
「女性が起業家への歩みを進める上で鍵となるのは『ロールメーカー』の存在です。リサーチの結果、92%の起業家志望の女性が女性起業家からインスピレーションを受けると答えているにも関わらず、実際に女性起業家の名前を挙げたことができた女性は17%に過ぎませんでした。時代や社会に挑み続けたマダム・クリコを冠に頂く『ヴーヴ・クリコビジネスウーマン・アワード』により、日本のビジネスウーマンの中からロールメーカーが生まれることを期待しています」
なかでも日本の女性における起業家志望率は調査された他のどの国よりも低く、起業家精神に富んでいるとはいいがたい。が、それはつまり未来へのポテンシャルを秘めているということでもあるだろう。最高のロールメーカーともいえるマダム・クリコの名を冠したこのアワードが日本のビジネスウーマンを讃え、励ますことで、女性アントレプレナーたちのモチベーションも大いに刺激されるに違いない。
マダム・クリコへのオマージュとして、メゾン創立から200周年の1972年に生まれた「ラ・グランダム」は文字通り偉大なる女性を讃えるプレミアム・シャンパーニュ。ピノ・ノワールを主体とするヴーヴ・クリコらしいスタイルで、力強いストラクチャーと洗練されたフィネスが特徴的な味わい。
ラ・グランダム2008
品種/ピノ・ノワール、シャルドネ
750ml ¥19,400(税別参考小売価格)