VALSTAR: A1 LEATHER JACKETS
これぞ100年定番!ヴァルスターの“ A-1レザージャケット”
August 2021
誰もが認めるA-1フライト・ジャケットのスペシャリスト、ヴァルスターは、100年以上に渡って優れたイノベーターであり続けている。
裏地がなく、軽い素材で作られた最新のヴァルスターのコレクションは、季節の変わり目において究極の“トランスシーズン・ジャケット”となるだろう。
by FREDDIE ANDERSON
ミリタリーテイストのアパレルは日々進化し続けているが、フライト・ジャケットもそのひとつ。ヴァルスターの“A-1レザージャケット”は、その最たるものだ。
高級ファッション・ブランドはいつも自らのオリジナルにオマージュを捧げ、再解釈し、コレクションに取り入れている。しかし、大きなメゾンには問題もある。それは、MBAホルダーの上層部があまりに売り上げを追求するあまりに、自社の起源から大きく逸脱し、そのブランドを愛する人が誰もいなくなってしまうことがあるということだ。
しかしイタリアの真の職人的ブランドであるヴァルスターに、そのような心配はない。彼らはA-1ジャケットのパイオニアであり、100年以上の経験を生かした精巧なデザインと技術を持つ、最も本格的なメーカーとして広く知られている。
ヴァルスターは、1911年にミラノで設立された。CEOのマッテオ・ボッザーラはこう語る。
「イタリアでは、ヴァルスターは “スタイルとファッションのゆりかご”と言われています」
イタリアで初めてレインコートを生産した会社として知られているが、今日では「ヴァルスタリーノ」ジャケットがよく知られている。
1935年に誕生した「ヴァルスタリーノ」は、第一次世界大戦でアメリカのパイロットが着用していたレザー製ユニフォームを、イタリア風にアレンジしたものだ。マッテオ曰く、「実は、一般向けに作られた最初のボンバージャケット」なのだという。現在は、薄いスエード素材のものが4種類、軽量のリネンやコットン素材のものが2種類あり、季節を問わない魅力的なジャケットである。イタリア人のワードローブには欠かせないアイテムだったが、近年は世界的に人気が高まり、すべての人にとってのマストアイテムとなった。
ロロ・ピアーナは、高級生地のトップメーカーとして知られるが、ヴァルスターはこの比類なきイタリアのファクトリーとコラボレートして、非常に洗練されたリネンとウールの混紡生地を使用したヴァルスタリーノを製作した。落ち着いた色調のグレイのジャケットは、しなやかでエレガントで、晩秋にかけての最適なレイヤード・オプションだ。
ヴァルスターのジャケットのユニークな点は、コットン・トラウザーズ、デニムジーンズから、クラシックカットのトラウザーズと、シームレスにマッチするということ。ドレスコードというものが曖昧になってきている今日、スーツやジャケットの代わりに、ドレスシャツ、ネクタイ、クラシック・トラウザーズにヴァルスタリーノを合わせてもまったく問題ないのだ。
ライトブラウンとグリーンのアルパカウールを使った千鳥格子のレインコートは、ユニークで独創的な1着だ。重厚なツイードを着ているときに天気が悪くなっても、このエレガントなイタリア製レインコートを羽織れば安心だ。
ヴァルスタリーノは、落葉前の厄介な季節においても究極のジャケットであることは間違いない。体型にフィットし、使い込むほどに味が出るのもまた魅力である。