THE NEW BENTLEY CONTINENTAL GT
ジャケットを羽織った
スポーツ選手のごとく
August 2018
ベントレーはグランドツアラーを長く作り続けてきたイギリスの超高級車ブランド。
ところが先頃誕生した新型コンチネンタルGTはスポーツカーと見紛う軽快な走りも手に入れたという。
その意外な二面性は、上質なジャケットで装ったスポーツ選手のようでもある。
text tatsuya otani
BENTLEY New CONTINENTAL GT
W12 6.0リッター・ツインターボエンジンは従来のポート噴射に直噴を追加したデュアルインジェクション方式を採用。最高出力635psと最大トルク900Nmを生み出す。エアサスペンションは3チャンバー式、フルタイム4WDは電子制御式に進化し、スポーツカーのようにもラグジュアリーサルーンのようにも振る舞える。最上質のレザーとウッドをふんだんに用いたインテリアには新たなデザインも設定。全長×全幅×全高:4850×1954×1405mm。ホイールベース:2581mm。重量:2244kg。¥25,680,000 Bentley
新型が手に入れたふたつの世界観
ラグビーやクリケットに打ち込むイギリスのスポーツマンは、試合が終われば鍛え上げた筋肉を仕立てのいいジャケットで覆い隠す。まるで自らの肉体をひけらかすことは紳士の振る舞いとして相応しくないと主張するかのように……。
3代目に生まれ変わったベントレー・コンチネンタルGTも、ダイナミックな走りのポテンシャルを無闇に主張しないという点において、イギリスのスポーツマンと共通するポリシーが認められる。
シートのキルティング加工として菱形を二重に組み合わせたダイヤモンド・イン・ダイヤモンドが新たに登場。
高速道路を穏やかにクルージングしているときのコンチネンタルGTはまるでラグジュアリーサルーンのように静粛性が高く、助手席に腰掛けたパートナーとは囁くような声で会話ができる。速度を上げても滑らかな走りは損なわれず、最上質のレザーとウッドで囲まれたキャビンは、まるでロンドンの五ツ星ホテルで寛いでいるかのように心安らかな時間をもたらす。コンチネンタルGTが紳士の横顔をのぞかせる瞬間だ。
しかし、ひとたびワインディングロードに足を踏み入れれば、ステアリングの動きにあわせて長大なノーズが軽々と向きを変え、次々と迫るコーナーを軽快に駆け抜けていくことができる。その姿は、まるで相手ゴールを目指して突き進むラグビー選手のようでもある。
ダッシュボードは上下で異なるウッドを選択できるようになった。
そうした、ある種の二面性を手に入れるため、ベントレーは同じVWグループに属するポルシェのテクノロジーを導入。ふたつのブランドを絶妙にブレンドすることで、スポーツカーのようにもグランドツアラーのようにも表情を変える新型コンチネンタルGTが完成したのだ。
エンジンはスポーツカー並みにシャープなレスポンスを獲得。635psと900Nmの高性能で最高速度はなんと333km/hに達する。
新型が手に入れたふたつの世界観はエクステリアデザインからも見て取れる。背が低いスポーツカーのようなプロポーションに見えて、巨大なメッシュグリルや大小ふたつのヘッドライトといったベントレーのアイコンはそのまま継承。そのエレガントな佇まいは、ジャケットを羽織ったスポーツマンそのものである。
ベントレーモーターズジャパン
TEL:0120-97-7797