THE NATURE OF TIME AT GRAND SEIKO’S STUDIO SHIZUKUISHI

「グランドセイコースタジオ 雫石」における時間の本質

August 2021

岩手県雫石町に位置する「グランドセイコースタジオ 雫石」では、サステナビリティと環境への配慮が、あらゆる面において優先されている。

 

 

by bhanu chopra

 

 

 

 

 グランドセイコーは、誕生60周年を迎えた2020年、岩手県雫石町に「グランドセイコースタジオ 雫⽯」を設⽴した。この新工房には、ブランドのエッセンスと哲学が凝縮されている。

 

 テーマは、”The Nature of Time”。自然から深いインスピレーションを受けた、日本人の時間に対する精神性である。約2,000平方メートルの広大な敷地には、周囲の自然に溶け込むような、木材とガラスをふんだんに使った建物が建てられている。設計を担当したのは、巨匠建築家の隈研吾氏だ。

 

 

「グランドセイコースタジオ 雫⽯」は、廃棄物やCO2の排出量を削減するアプローチで設計され、エネルギー効率の高い建物となっている。

 

 

 新工房の設立は、グランドセイコーのサステナビリティ・ステートメントの一環でもある。廃棄物やCO2の排出量を削減するための現実的なアプローチで設計されており、エネルギー効率にも優れている。グランドセイコーが取り組むサステナビリティの詳細を紹介しよう。

 

 

 

製造時の廃棄物削減

 

「グランドセイコースタジオ 雫⽯」は、セイコーウオッチの100%子会社である盛岡セイコー工業の雫石高級時計工房内にあり、そのサステナブルな事業活動が評価されている。親会社であるセイコーウオッチと同様に、サステナブルなものづくりと自然との共存を目指しているのだ。

 

 工房では、“3R(リデュース、リユース、リサイクル)”を実践し、資源の有効活用と廃棄物の削減に努めている。例えば、環境への影響を最小限に抑えて資源を可能な限り効率的に使用するため、排水はクリーンに処理して水を再利用できるようにしている。

 

 

 

 

エネルギー効率とCO2排出量

 

 盛岡セイコー工業では、地球温暖化対策の一環として、CO2排出量を削減するための目標値を設定し、継続的な削減活動を行っている。施設内に導入している自社開発の「ミスター省エネ」は、温度、湿度、照度、電流値などを監視して省エネを図る最新鋭の無線センサーネットワークシステムだ。

 

 さらに2020年12月には、盛岡セイコーの工場の屋根に太陽光発電設備を設置。「グランドセイコースタジオ 雫石」の消費電力は、この太陽光発電設備による電力供給で賄えることになった。

 

 

 

 

 

植物相の保護

 

「グランドセイコースタジオ 雫石」では、周辺の自然環境や生息地の保全にも配慮している。敷地内の自然林を登録・管理し、外来種の分布や繁殖状況を監視しているのだ。具体的には、鳥やリスの家を設置して生息状況を観察したり、インセクトホテル(虫ホテル)で植生や巣の定着を促して生態系の維持を目指したり、社員とそのファミリーがグリーン・メンテナンスやグリーン・ゾーンツアーを行うなどしている。

 

 また、「グランドセイコースタジオ 雫石」では施設見学に加えて、生物の多様性やSDGsに関する講演など、環境活動に関する情報を提供するアクティヴィティを定期的に開催している。

 

 

 

 

グランドセイコーの新作「ヘリテージコレクション シリーズ9(SLGH005)」は、スタジオ近くに生育する白樺林をモチーフとし、丁寧に作り込んだ型打ちのダイヤルで見事に表現。シースルーケースバックからは、最新のメカニカルハイビートムーブメント「キャリバー9SA5」を鑑賞できる。日常生活用強化防水(10気圧)。自動巻き、SSケース、40mm。¥1,045,000 Grand Seiko

 

 

グランドセイコー

TEL.0120-302-617

www.grand-seiko.com/