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世界のファッショニスタに学べ:
アン-ソフィー

Sunday, June 6th, 2021

第8代ルーカン伯爵夫人であるアンーソフィーは、カントリークロージングをエレガントで実践的であるだけでなく、楽しくセクシーなものにしたいと思っていた。

セクシー?大歓迎である。

 

 

text ben st. george 

translation wosanai

photography kim lang

 

 

 

Anne-Sofie, Countess of Lucan

アンーソフィー 第8代ルーカン伯爵夫人

 

 

 

 第8代ルーカン伯爵夫人、無論軽んじられるべきではない女性であることは明らかだ。秀麗な装い、雅やかなマナー、そしてほとばしるほどの魅力を持ち合わせるアン-ソフィーは芸術家の道を志していたが、失うことのできなかった“シューティング”への情熱に対し正直に生きることを決めた。「愛しています」 彼女はそう答えた。

 

「気持ちの高まりを押さえることができなくなる。そして風光明媚な田舎の景色を見て回るすばらしい機会でもある。いろいろなところを旅して、そして歳も違えば育った環境も違うさまざまな人たちとふれあうんです。遊猟(シューティング)は他のスポーツでは得られない経験を与えてくれるものだと思います」

 

 

左:「葉巻も好きです。スモーキング・シガーという一連のフォームも面白いですよね。勝手に会話が始まったりするでしょ。または、移動で酷い渋滞にはまったときなんかは怒りをぶつける代わりに葉巻に火をつけるんです。この葉巻入れは6~7本くらい入って、完全に空気を遮断してくれる。ショットガン・シェルだから当然なのだけど、他のケースより圧倒的にいいんです。ただ、ここにはないけれど、ニック・フォルクスがくれたものだけはちょっと話が変わるけど」。/右:メタルの革巻きハンドウォーマーはおよそ200年前にフランスで製造されたもの。“When you’re cold, Think about me.”(寒いときは僕のことを考えてみて)と彫られてある。「傷が入ってしまったりもしたけど、とてもエレガント。もちろん、これも私の武器のひとつです」。

 

 

 

 彼女はチームGBにも参加するほどにスポーツシューターとしても名が通っている。しかし同時に彼女は知性に乏しいカントリーウェアやスポーツウェアにうんざりしていた。それらに対するフラストレーションが溜まり、アン-ソフィーは自身で制作するようになる。

 

「シューティングキットを身につける機会がとても多いのだけど、そのほとんどがつまらない形で色も単純。そしてそもそも動きづらい。本当に嫌になってしまって、父親の洋服をばらして自分で組み立て直したりもしました。だから今は、自分でデザインして、それを作ってくれる人を見つけました」

 

 

左:彼女自身、このカートリッジバッグがどこで製造されたものなのか、どういったブランドなのかすらわかっていない。「結局これをずっと使っていて、ただ単純にこれなしではダメっていう感じになってしまいました。似たものですら見つけることはできません」。/右:家宝でもある金のゼニスの懐中時計は、第8代ルーカン伯爵である夫ジョージが、父であるかの有名なジョン・ビンガムから受け継いだもの。「義父は25歳のときにこの時計を受け継ぎ、それをジョージに、そして今は私が、というわけ。チェーンはしていないから、シューティングのときにはポケットに入れて持ち歩いています。ふたつの腕時計をシューティングでダメにしてしまったから、今はこれを愛用しています。とてもエレガントで気に入っています」。

 

 

 

 彼女のブランド、ルーカンのノーフォークジャケットはシューティング業界で大きな成功を収め、今はフルコレクションを発表するほどの規模となった。今までのものとは大きく違い、エレガントなだけでもなく、少しの“楽しさ”、そして“セクシー”が織り込まれている。

 

「ワイルドでは全くなくて、だけどほんの少し違う。シューティングも似たようなものです。成長しないといけないし、そうすればその先の見え方も変わってきます」

 

 

 

左:スタッズがあしらわれたルブタンのパンプスは、彼女のまた別の“武器”。「シューティングに行くと、よく前夜祭のようなブラックタイのイベントがあるので、そういったときによく愛用しています。伝統的な衣装とのコントラストがとてもすきです」。/右:ウェストリー・リチャーズの銃が彼女の愛機。「とてもエレガントでスマートなんです。人は何か自分自身を反映するようなものを持たなくてはいけないと思います。どんな武器でもいい、例えそれがひとつのハイヒールでも。それはあなた自身の延長だと思います。この銃が持つパッションと精神性を私は愛しています」。

 

 

このセーブル・ストールは何百年も昔のもの。代々受け継がれてきたという。一番はじめにこれを受け取った女性へのウエディングプレゼントだったようだ。