SHIMA KANKO HOTEL 01
人々を魅了する“シマカン”へ
June 2020
異なる棟に連泊するだけでなく、同じ棟に連泊するのも、筆者としてはおすすめだ。客室そのものを存分に味わっていただきたいのはもちろん、朝食のチョイスも大変悩ましいものだから。「ザ クラシック」ではひとつのレストランで洋食のハーフブッフェと和食膳、「ザ ベイスイート」ではふたつのレストランでそれぞれ和と洋が用意されており、いずれもメニューは異なる。特に「ザ ベイスイート」に限っては、朝からコース仕立ての洋食を楽しむことができる。
「ザ ベイスイート」の和食「浜木綿」での朝食の一例。素材の良さを生かした、ホッとする献立だ。
そのチョイスも実に秀逸で、新鮮なフレッシュジュースやシャンパーニュにはじまり、焼きたてのパン、フルーツやヨーグルト、地元で採れた新鮮野菜のディップ、野菜のポタージュ、選べる卵料理(筆者は「海の幸と卵のグラチネ」を選択)まで揃う。いつもは和食一辺倒の筆者でさえ、胃が疲れることなく最後まで満喫することができた。
素材の良さ、自然の豊かさを感じられる料理の数々からは、繊細な手仕事が窺える。これも、ここを訪れる多くの人々が楽しみにしていることのひとつだ。そう、これらを生み出す総料理長を務める樋口宏江シェフの存在抜きに、このホテルは語れないのだ。
卵料理「海の幸と卵のグラチネ」。伊勢海老がふんだんに使用され、半熟卵と相まって深みある味わいに。大きな窓の外には豊かな緑と英虞湾が広がり、爽やかな朝を約束してくれる。