Salon de Plus Signature Loafer “Duke”

外苑前サロン ド プリュスのベストセラー・ローファー

January 2024

text kentaro matsuo

 

サロン ド プリュスが別注したラバーソールのローファー。ブラックカーフ製。¥222,200 Edward Green / Salon de Plus

 

 

 

 外苑前のサロン ド プリュスは、知る人ぞ知るオーダーメイド・サロンである。代表・伊藤哲也氏のセンスと人柄が口コミで伝わり、洒落者たちの間で密かなブームを呼んでいる。カシミアをはじめとする極上の素材を、ふわりと軽いジャケットやコートとして仕立てる術に長けている。カジュアルなブルゾンやインナーも揃っており、「ニュアンス・カラー」と呼ばれる独特の柔らかな色合いを提案している。

 

 そんなサロン ド プリュスのベストセラー商品が、ご覧のシグネチャー・ローファーである。英国エドワード・グリーンの名作「デューク」をラバーソールで別注したモデルだ。レザーソールに比べると、ラバー製はクッション性に優れ、一日中履いていても疲れが少ない。雨の日でも滑らず、安心して歩くことができる。

 

 

 

 

 アッパーに使われているのは、フランスHAAS社のユタカーフである。表面の細かなシボと豊富な油分が特徴で、もっちりとした質感を持っている。これがフォーマルはもちろん、カジュアルなスタイルにも似合うのだ。今回の別注では甲部分に同色のスエードが張られ、ややエレガントな表情となった。オールブラックなので足元の引き締め効果があり、ニュアンス・カラーを使った、ちょっとモードな着こなしにも最適である。

 

 

 

 

 サロン ド プリュスの顧客には、この靴を色違いで何足も持っている人が多いという。実は筆者も一足持っているが、その履き心地のよさと万能なデザインによって、ついつい出番が多くなってしまう。

 

「革靴は大仰だが、スニーカーは避けたいな……」という今の気分にぴったりなのだ。なぜベストセラーになったのか、所有してみると実によくわかる靴なのである。