Exceptional Japanese Quality Backed by 128 Years of History

128年の歴史に裏づけられた、
日本ならではのクオリティ

September 2022

text KENTARO MATSUO

 

 

 

 

 1894年創業、KINDWAREは日本で最も古いメンズ・アパレルのひとつである。天皇陛下の即位式や閣僚の記念撮影などに洋服を提供している。1968年には、皇居新宮殿落成に際し、公式儀礼服一切のご用命を賜り、2019年には「令和」改元にともなう儀礼服を宮内庁に納入した。

 

 

 

 

 その新しい旗艦店、KINDWARE本店が7月25日に青山通りから一本入った閑静な住宅街にオープンした。デザイナー、津田正幸による設計で、20世紀初頭のロンドンにある一軒の邸宅をイメージ。英国から輸入したアンティーク家具やペルシャ絨毯がくつろげる空間を演出している。当時のジェントルマンたちが葉巻やお酒を嗜みながら、社交を楽しんだり、熱く議論しながら集るシーンを想像している。

 

 

 

 

 ストアでは、テーラーが最高の仕事ができるスペースを実現している。テーラーにとって、最も大切な三つの要素である生地、裁断作業台、そしてフィッティングルームが揃っている。生地を広げたり作業しやすいよう、オーダーメイドで作られた2.5mの大きなテーブルが、店内で最も重要な場所に置かれている。

 

 

 

 

 そしてフィッティングルームは、顧客が最も自信を持って輝ける場所、かつ身も心もさらけ出して、最高にくつろげる贅沢な空間である。部屋の一部でありながら、カーテンによって完全な個室として独立し、十分な広さと、上質な空間となるように作られている。

 

 

 

 

 ここのテーラーはフォーマルとスーツのプロであり、品位と知識で顧客をアップグレードしてくれる存在である。彼らは顧客に的確なアドバイスをし、3000以上ある生地と700以上ある裏地の中から、一番似合う一枚を選んでくれる。日本人のみならず、海外からの顧客にも対応している。ここで作ることができるのは、KINDWAREのオリジナル、そしてロンドンの超一流テーラー、HUNTSMANのコレクションである。どちらもFull BespokeとMade to Measure(MTM)のラインがある。

 

 

 

 

 KINDWAREとHUNTSMAN(1849年創業、英国王室御用達)は、古くから関係があった。1970年代にHUNTSMANが日本で既製服を売りたいと考えたとき、白羽の矢が立ったのがKINDWAREだった。彼らの縫製技術が非常に高かったからである。KINDWAREがHUNTSMANの技術に見合う企業であったためHUNTSMANの技術指導を受け、日本で唯一HUNTSMANのブランドネームの使用を許される会社となった。

 

 

 

 

 すべての洋服は日本国内で作られている。MTMの工房は栃木県・那須に位置している。50年以上の歴史を持ち、90名以上の職人が働いている。中には半世紀以上働いている人もいる。

 

 

 

 

 1着を作るのに400工程以上をかける。一番の特徴は丁寧な中間プレス工程を数多く入れていることだ。これによって作られた服は、型くずれせず、立体になり、着心地がよくなる。首回りにフィットし、重さを感じさせない。

 

 128年の歴史に裏づけられた、日本ならではのクオリティが、ここ東京・南青山にある。

 

 

 

KINDWARE本店(青山)

東京都港区南青山2丁目13−2

TEL.03-6721-5123

https://kindwaretailor.com