ORIENTAL HOTEL OKINAWA RESORT & SPA

オリエンタルホテル 沖縄リゾート&スパ
海と山とが交差するラグジュアリーリゾート

April 2022

 

 

 ようやくコロナ禍の出口が見えてきた昨今、すでに海開きを迎えたビーチも多い沖縄は、ホテル開業ラッシュである。大小さまざまなホテルのニューオープンが続き、本格的なシーズンの訪れに備えている。

 

 中でも、注目は沖縄の北方、名護市・喜瀬エリアである。ここの魅力は、沖縄自動車道の許田ICからすぐ、那覇空港から約70分というアクセスのよさにもかかわらず、多くの自然が残されていることだ。紺碧の海、鬱蒼とした山々・・それらを背景に、沖縄を代表するラグジュアリーホテルが並んでいる。

 

 2022年3月19日、そんな喜瀬に、またひとつ注目のホテルがグランドオープンした。「オリエンタルホテル沖縄リゾート&スパ」である。オリエンタルホテルといえば、神戸開港間もない1870年に生まれた日本最古のホテルの系譜を継ぐ名門で、最上級のおもてなしを提供することで知られている。

 

 

 

 

 ホテルは海から数十メートル上った小高い丘の上に建っている。海側を眺めると、エメラルドグリーンの浅瀬と青い水平線が視界いっぱいに広がる。まさに絶景である。V字型にデザインされた建物は、どの部屋からも海を望むことができるという。近隣の高台には、古代・三山時代の名護城(ナングスク)址もある。かつての城主も、同じような景色を見ていただろうと思うと感慨もひとしおだ。

 

 反対の山側には、熱帯植物の宝庫“やんばるの森”を感じることができる。やんばるとは沖縄語で“山原”と書くそうだ。このホテルはやんばるの入り口に位置している。

 

 

 

 

 ロビーフロアは、透明なピラミッド状の屋根から降り注ぐ陽光を、大きな白いタープで透過させ、柔らかな光に包まれている。そこかしこに、やんばるに自生する植物が配置され、緑あふれる空間となっている。

 

 フロア中央は、クラブルームに宿泊したゲストのための広大な「クラブラウンジ」となっている。通常ラウンジは上層階にあることが多いが、ロビー階にこれだけ大きなスペースがあるのは珍しい。ここではアペリティフやアルコールのフリーサービス(17〜19時)の他、一杯一杯自身で豆を挽いて淹れる、希少な沖縄県産コーヒー豆をブレンドしたコーヒーなども味わえる。このホテルに泊まるなら、クラブルームを予約することを強くおすすめする。

 

 隣のカウンターバー(こちらは一般客も利用可)では、各種カクテル、ウイスキーなどが楽しめる他、沖縄特産の泡盛も数多く取り揃えられている。地元ならではの、5年物、10年物といった古酒(くーす)を試してみて欲しい。その芳醇な香り、まろやかな味に泡盛の新たな魅力を発見するはずだ。

 

 

 

 

 ロビーフロアには、アメニティべース「Arin Krin(アリンクリン)」も特設されている。アリンクリンとは、沖縄の言葉で“あれもこれも”という意味。ゲスト自身がさまざまなアメニティを自由に選べ、部屋へ持ち帰れるというサービスである。キッズパジャマやヘアオイル、入浴剤などの他、ボードゲームやカードゲームも用意されており、女性や子供に大好評だそうだ。

 

 歯ブラシ、ヘアブラシ、レザー(カミソリ)などには、環境に配慮されたバイオマス素材が採用され、マドラーは木製、ストローは紙製のものが使われている。ホテル全体のプラスチック廃棄量の低減を目指しているという。

 

 

 

 

 さて、このホテル最大の目玉はプールである。グランドオープン当日にプール開きとなった県内最大級を誇るガーデンプールには、6つのプール、47.5mのロングウォータースライダー、キッズエリア、バイブラバスに加え、ガラス張りのサウナまで設えられている。そのうちふたつは温水プールとなっているので、オフシーズンやナイトプールも楽しむことができる。プールサイドバーの水中スツールに腰掛けトロピカルカクテルを傾け、プール内のしんすいラウンジャーに横たわり半身を水に浸せば、気分はパラダイスであろう。

 

 本格的にスイミングをしたいゲストのためには、20m級のインドアプールも完備されている。また広大なジムスペースも併設されており、イタリア、テクノジム社の最新マシンやフリーウエイトが並んでいる。日々のエクササイズは欠かせないというタイプの方でも、十二分に満足する内容だ。

 

 

 

 

 さまざまなアクティビティが用意されているのも、このホテルの特徴だ。沖縄有数の砂浜「かりゆしビーチ」はホテルから徒歩9分の近さである。ビーチチェアやパラソルといったレンタルサービスをはじめ、デイクルーズ、グラスボート、シーカヤック、パラセーリングなど、あらゆるマリンスポーツを堪能することができる。

 

 また、ホテルすぐのやんばるを思わせるエリアでは、本格的な屋外アクティビティ楽しむこともできる。まずは4輪バギーだ。ミニチュアカーをそのまま大きくしたようなバギーに跨り、特設コースを疾走するのは爽快だ。保護者同乗なら4歳から乗ることができるので、ファミリーで楽しめる。それからSUP体験だ。森に囲まれた水辺で、ゆったりとオールを漕ぐ。最大5人乗りの大きなボードなので、初心者でもひっくり返ることはない。

 

 もう少しお気軽なものをお望みであれば、プールサイドでのヨガはいかがだろう。インストラクターの指導のもと、身体を思い切り伸ばすことができる。

 

 

 

 

 ホテル自慢の客室は、一番小さなタイプでも40平米以上ある。客室のみならず、バスルームやウォッシュスペースなど、すべてが広々としている。バルコニー横には、ガラスで囲まれたクリスタルテラスが設えられており、リビングの一角が空中に張り出しているようである。

 

 面白いのは、和室がついたスイートルームがチョイスできること。掘り座卓がついている部屋は、お年寄りや小さな子どものいるファミリーに重宝するだろう。

 

 

 

 パノラマオーシャンスイート・プレミアムは109平米の広さを持ち、海に向かって突き出した三角形の両翼に窓が開いている。三角先端部分はバスルームとなっており、海を一望しつつゴージャスなバスタイムを楽しむことができる。

 

 

 

 

 嬉しいのは1階に、男女別のスパが設けられていること。昼間思い切り遊んだ疲れを、ゆっくりと癒すことができる。星空を眺めつつ、屋外バスに浸かるのは、こたえられない至福のひとときである。

 

 併設されたエステティックサロンでは、アロマスキンケアスペシャリストによるトリートメントを受けることも可能だ。

 

 

 

 

 レストランは、「Buffet & Grill QWACHI(クワッチー」、うちなーだいにんぐ「じなんぼう」、沖縄焼肉「琉仙」などお好みで。QWACHIのブレックファスト・ブッフェでは、和洋の定番に加え、島豚やタコス、ポークたまごおにぎり、肉厚バーガーなどが楽しめる。

 

 並べられたクロワッサンやパン・オ・ショコラなどは、東京の一流フレンチ系ベーカリーと比べても遜色のないもの。また嬉しいのは、フレッシュオレンジを丸ごと潰す、回転式のジュースメーカーが設置されていること。日本のホテルで見かけるのは珍しいと思う。搾りたてのオレンジジュースの味は、濃縮還元とはまるで違う。細かいところだが、こういうところにお金をかけてくれると、ゲストとしては心底嬉しい気分となる。

 

 

 ラグジュアリーは、一点豪華主義とは違う。重厚長大な建物があればいいというものではなく、最新の設備を揃えればそれで終わりというものでもない。隅々まで行き届いたサービスと、ゲストを楽しませようとするホスピタリティ。これらが集積して、充実した空間が形作られる。真のラグジュアリーとは、細かいところの積み重ねなのだ。

 

 そういう意味で、おもてなしの心に溢れた「オリエンタルホテル 沖縄リゾート&スパ」は、沖縄を代表する、本当のラグジュアリーホテルであるといえよう。