NEW & LINGWOOD: PROFOUND IN YOUR GOWN
ガウンを羽織ろう:ニュー&リングウッド
December 2020
ニュー&リングウッドのようなラウンジウェアやイブニングウェアを扱うブランドは他にはない。
ここに紹介するガウンは、華やかで、芸術的で、洗練されていて、非常に快適である。
カジュアルでもフォーマルでも、昼でも夜でも羽織ることができる。
by freddie anderson
美しいドレープを持ち、鮮やかな模様に彩られたドレッシング・ガウンは、快楽主義と華麗さ、サルトリア的な美しさを兼ね備えている。ケーリー・グラントやノエル・カワードなどの映画スターの例を持ち出すまでもなく、それは着る人のイメージを瞬時に変える力を持っている。
歴史を紐解くと、ドレッシングガウンは多くの時代にさまざまな形で登場している。ローブは、人類が着用した最初の服のひとつだった。元々は中東に由来し、ルネッサンス時代にヨーロッパで流行し始めた。その後、バロックやロココなど、さまざまな芸術的ムーブメントから、多くのスタイルを取り入れてきた。そして英国の老舗、ニュー&リングウッドほど、ドレッシングガウンに奇抜さ、創意工夫、エレガンスを調和させたブランドはない。
ニュー&リングウッドは、もともとはイートン・カレッジの学者たちに衣装を提供するために設立された会社だ。フォーマルは得意中の得意である。フォーマルさが失われつつある現代にあっても、イートン校は伝統を堅守しており、生徒たちは今でも黒のテイルコート、黒のウエストコート、スターチのついた硬い襟、ピンストライプのトラウザーズという制服を着用している。150年以上前に設立されたニュー&リングウッドは、今でもイートン・カレッジの若いジェントルマンのための専属服飾店なのだ。
ニュー&リングウッドのドレッシング・ガウンは、まさに芸術作品だ。英国のガウン作り専門のアトリエで、ハンドによるカットと縫製が行われている。
The Rakeは彼らの新しいコレクションを仕入れることに、大きな喜びを感じている。
ここで紹介する青と黄色のアールデコ調の模様に彩られた、裏地付きシルク製ドレッシング・ガウンには、堂々としたベルベットの襟とガントレット・カフスが付けられている。
フリンジ、ストラップなど、ガウンならではの装飾が施されており、タキシードの上から羽織ってもいいし、またアームチェアに腰掛け、銀のコースターの上に置かれたハインシガー リザーブ コニャックのグラスを片手に、パスタガス ルシタニアスのシガーをふかすのにも適している。
ブラックとゴールドの幾何学模様のガウンに袖を通せば、バイロン卿をはじめとする偉大な詩人たちの時代にタイムスリップできるだろう。
コロナ以降、多くの人々の生活は劇的に変化した。私たちはより長い時間、家にいることを余儀なくされ、よりコンフォートなアイテムに注目が集まっている。
そんな時、ドレッシングガウンは最高のチョイスだ。毎日トラックパンツとパーカーでは、あまりにも寂しい。
裏地がついていないタイプは、ややフォーマル感に欠けるが、快適さと動きやすさにおいて優れている。ロシアのヴィンテージ・プリントを模した赤のロシアン・ピーコックのデザインや、ライムの葉をあしらったものなど、どれも最高にエレガントだ。
Lime Leaves Unlined Silk Dressing Gown | Navy Prince Of Wales Check Lined Silk Dressing Gown |
ニュー&リングウッドが得意とするのは、ドレッシングガウンだけではない。彼らの作るパジャマも定評あるものだ。素材はコットンとシルクの贅沢なブレンドで、神話や動物のパターンが施され、ガウンと同じようにゴージャスだ。
パジャマは、スリッパーと相性がいい。家の中を歩き回ったり、お気に入りの椅子で新聞を読んだりするときに絶好のセットである。装飾的な柄のシルクのスリッパーは、繊細なかかと、丸いつま先、エレガントなクッション性のあるインソールが特徴で、快適さとスタイルの良さを両立している。
Black And Gold Skull & Crossbone Silk Slippers | Silver Rococco Silk Slippers |
ニュー&リングウッドの洗練されたルームウェア・コレクションの締めくくりとして、タッセル付きのスモーキング・ハットはいかがだろうか? もともとは、葉巻の香りで髪の毛が臭くならないように被るものだ。
こんな時代だからこそ、エレガントで、ユーモラスで、気分が明るくなるような装いを心がけたいものだ。