My First Love Shoes, J.M. WESTON
ジェイエムウエストンは私の初恋だった靴
December 2020
当時の日本人は、ジェイエムウエストン青山店によって生まれて初めて“本格靴店”というものに触れたのだ。私もその一人で、まるで初恋の人を思うがごとく夢中になった。見るものすべてが新鮮だった。
今でもジェイエムウエストンは、日本で根強い人気を誇っており、全世界の店舗51店のうち14店が日本にあるが、これはやはり“初恋効果”であろう。すべての男にとって、初めての恋人が忘れられないように、私もジェイエムウエストンをいまだに偏愛しているのだ。
ジェイエムウエストンの大定番にして私が夢にまで見た靴、♯641ゴルフ。¥115,000 J.M. WESTON
当時20代だった私にとって、ウエストンの靴は高かった。一番憧れたのは、定番の#641ゴルフだ。これは、フランス帰りのデザイナーの人が持っていて、「シャンゼリゼの店で買った」と自慢していた。当時のファッション界では、ウエストンのパリ、シャンゼリゼ店へ行ったことがあるというのが、一種のステイタスだった(私はもちろん行ったことはなかった)。
「タキシードから、軍パンまで、何にでも合うんだよ」と豪語していた。今でもそれは本当だと思う。もし一足しか靴を持てないなら、黒のゴルフにする。タキシードはともかく、スーツからカジュアルまで、こんなにオールマイティな靴はない。
あまりにゴルフが欲しくて、毎日ゴルフのことばかり考えていたら、ついに夢にまで見るようになった。夢の中でゴルフを履いていて、目が覚めると持っていないことに気付きがっかりする。このままでは「もう体に悪い」と思って、ついに購入することにした。
本記事は2018年12月7日に公開された記事を再掲載したものです。
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