INTRODUCING THE CHOPARD L.U.C QF — THE RAKE & REVOLUTION EDITION

ショパールとTHE RAKEのコラボ・ウォッチ第3弾発表!
「L.U.C QF ジュビリー The Rake & Revolution エディション」

March 2022

THE RAKEと時計専門誌『Revolution』は、ショパールとのコラボレーション・ウォッチ第3弾を発表する。

昨年ショパールから登場して大人気だった「L.U.C QF ジュビリー」の姉妹機である。

特徴的なルミナス・セクタートラックとアラビア数字は、この時計の魅力をさらに高めている。

 

 

by WEI KOH

 

 

 

 

 

 「L.U.C QF ジュビリー The Rake & Revolution エディション」は、地球上で最も偉大なウォッチ・マニュファクチュールのひとつ、ショパールとのコラボレーション第3弾である。夜光塗料を塗ったセクターダイヤルを特徴としたスチール製ウォッチは、世界限定わずか25本だ。

 

 これはもちろんショパールの「L.U.C」コレクションであり、「L.U.C」の立役者といえばショパール共同社長のカール-フリードリッヒ・ショイフレ氏である。彼は私の友人であり、大きな尊敬を抱いている人物である。世界初の両方向巻き上げ式のマイクロローターを搭載した“キャリバー1.96(現L.U.C 96.01-L)”や、サファイアクリスタル製のゴングを備えたミニッツリピーター“L.U.C フル ストライク”(ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリで「金の針賞」を受賞)など、ショイフレ氏が手がける時計は革新的な性能が搭載されてきた。しかも、それらすべては控えめなエレガンスとともに実現した。彼こそ完全無欠の紳士である。

 

 

「L.U.C QF ジュビリー The Rake & Revolution エディション」。

 

 

 

 最初のコラボレーションは、ショパール初の自社製ムーブメントを搭載した時計「L.U.C 1860」(ケース径は36.5mm、厚さは7.2mmで、ギヨシェが施された重厚な文字盤を持つ)へのオマージュだった。2018年に、サーモンダイヤル×ホワイトゴールドケースとして10本限定でリリースしたが、今ではカルト的なコレクターズ・アイテムとなっている。

 

 2度目のコラボ、2021年の「L.U.C 1860 フライング T ツイン」は、私にとって夢の実現だった。厚さを1mm増やして8.2mmにした同じ「1860」のケースを使い、マイクロローター駆動、COSC認定、ジュネーブシール認定を受けたストップセコンド機能付きのフライングトゥールビヨンである。この時計は5本限定で製作された。今日に至るまで、われわれのコラボモデルの中でも最高傑作といえるものだ。

 

 そして私は今、3つ目のパートナーシップとなる、「L.U.C QF ジュビリー」の特別なタイムピースを発表できる喜びに震えている。「QF(カリテ フルリエ)」とは何か?  これは、カリテ フルリエ財団による、品質と精度のための最も困難なテストのことである。つまりこの新しい限定モデルは、あなたに届く前に実に厳しい審査基準をパスしているのだ。

 

 

ショパール共同社長カール-フリードリッヒ・ショイフレ氏(中央)と息子カール-フリッツ・ショイフレ氏(左)、そしてTHE RAKEおよびRevolution誌のファウンダー、ウェイ・コー(右・筆者)。(©Revolution)

 

 

「L.U.C QF ジュビリー The Rake & Revolution エディション」。ラグの曲線も美しい。

 

 

 

 カリテ フルリエ財団による基準は、品質、耐衝撃性と精度において最も厳しく困難とされている。また、初めての、そして唯一のプロセスとして、ムーブメントだけでなく時計全体がテストされている。カリテ フルリエの発表会で、私はある機械に大変驚かされた。特別に作られた、ジャイロ型のロボットアームである。まさに時計を拷問するために作られたマシンだ。回転し、ねじれ、そして激しく揺さぶり、時計を破壊しにかかるのだ。この機械は見る者すべてを恐怖に陥れる。私がその様子を観察していると、隣に穏やかな顔のカール-フリードリッヒ・ショイフレ氏がいることに気づいた。彼はにっこりと笑って、「すごいですね」と言った。マーキュリーの宇宙飛行士が宇宙に飛び出すのと同じG-フォースに時計をさらしても、落ち着いていられたのは彼だけだった。L.U.Cキャリバーの信頼性に絶対の自信を持っていたのだ。

 

 

「L.U.C QF ジュビリー The Rake & Revolution エディション」。ルミノバにより、針、インデックス、アラビア数字が暗闇で光る。

 

 

 

ショパールとカリテ フルリエ

 

 カリテ フルリエ財団は、2001年にショパール、パルミジャーニ・フルリエ、ボヴェの3社によって、スイス高級時計を客観的に検査し、想像しうる最高のレベルに引き上げることを目的として設立された。ショパールで初めてカリテ フルリエ認証を取得した時計は、2005年の「L.U.C カリテ フルリエ」である。

 

 業界のトップブランド数社がMETAS(スイス連邦計量・認定局)の認証を採用した今日においても、カリテ フルリエの基準は間違いなく世界で最も厳しいものといえるだろう。

 

 まず第一に、時計のヘッド部分(ブレスレットとクラスプを除く)は、100%スイスで製造されたものでなければならない。素材が最終加工された後も、装飾、脱進機の取り付け、調整、仕上げ、組み立て、ケーシング、品質管理まで、あらゆる工程がスイス国内で行われる必要がある。

 

 第二に、既にCOSC(スイス公式クロノメーター検定局)認定のテストに合格していなければならない。ムーブメントは、スイス公式クロノメーター検査協会によって、5つの姿勢差(ポジション)と3つの温度差で、15日間にわたり精度が検査され、日差においてマイナス4秒以内プラス6秒以内という基準をパスする必要がある。ショパールは、初の自社製ムーブメント以来すべてがCOSC認定を受けており(秒針がないためテスト不可能なものを除く)、ショイフレ氏がその精度を客観的に証明することに全力を注いでいることが分かる。

 

 

 

「L.U.C QF ジュビリー The Rake & Revolution エディション」をケースバックから見た様子。カリテ フルリエの刻印と、美しいムーブメントの仕上げ、そして22Kのマイクロローターが見える。

 

 

 

 それからようやく、前述の悪名高いロボットアームを使ったクロノフィアブル・テストにかけられるのである。このテストでは、まずリュウズやプッシャーを押したり引いたり、ベゼルを回したりと、実際の使用時を想定した複数の手順が行われる。さらにその後、耐磁力テスト、防水性能テスト、巨大なハンマーを時計の側面に叩きつけるという恐ろしい耐衝撃テストにかけられる。そして仕上げの基準を満たすかどうかの検査が行われる。プラスチック製の部品は一切使用できず、伝統的な素材、貴重素材、シリコンなどの素材のみが許される。最後に、フルリテストが行われ、機械によって24時間あらゆる姿勢での装着が試されるのだ。

 

 設立から17年ほど経ったころ、パルミジャーニ・フルリエとボヴェは、このプロジェクトから離れつつあった。これは決して責められることではない。なぜなら、この非常識ともいえるレベルのテストはあまりにも高い代償を伴うからだ。にもかかわらず、ショイフレ氏はこの取り組みを継続することに前向きである。「私にとって、カリテ フルリエが継続されることは重要です。なぜならカリテ フルリエは、今でもスイス時計製造における最高レベルの客観的なテストであることに変わりはないからです」。2005年以降、ショパールから発表されたカリテ フルリエ認定のモデルは全部で10本だ(年代順)。

 

「L.U.C カリテ フルリエ」(2005年)

「L.U.C カリテ フルリエ」(2006年)

「L.U.C テック カリテ フルリエ」(2009年)

「L.U.C トリプル サーティフィケート トゥールビヨン」 (2011年)

「L.U.C カリテ フルリエ」(2012年)

「L.U.C クアトロ トゥールビヨン QF フェアマインド」(2014年)

「L.U.C カリテ フルリエ」(2014年)

「L.U.C XPS ツイスト QF フェアマインド」(2017年)

「L.U.C XPS ツイスト QF フェアマインド」(2019年)

「L.U.C QFジュビリー」(2021年)

 

ショパール「L.U.C」のカリテ フルリエ認定10モデル。

 

ショパール・マニュファクチュール創立25周年を記念して昨年発表された「L.U.C QF ジュビリー」は、L.U.Cコレクションの3つのコアバリュー、すなわち技術性能、洗練された外観、認定時計製造へのこだわりを理想的に集約しているタイムピースだ。この記念モデルは、25本の限定生産だった。(©Revolution)

 

 

 

 つまり、今回のコラボレーション第3弾は、第11番目のカリテ フルリエ認定ウォッチという栄に浴す。昨年発表された「L.U.C QF ジュビリー」の延長線上にあるモデルだからだ。「L.U.C QF ジュビリー」は世界限定25本だったため、愛好家たちによって一瞬にして完売してしまった。自分と友人のために25本すべてを購入したいと希望したファンもいたほどだ。世界中から同時に注文が殺到したその圧倒的な需要により、ブティックは保証金の払い戻しを余儀なくされた。「L.U.C QF ジュビリー」を手にすることができた幸運な人たちは、史上初のステンレススチール製のカリテ フルリエ認定ウォッチを手に入れることができたのだ。

 

 

「L.U.C QF ジュビリー The Rake & Revolution エディション」。

 

 

 

L.U.C QFジュビリー

 

「L.U.C QF ジュビリー」のプロジェクトは、数年前のバーゼルワールドから始まっていた。2005年の「L.U.C カリテ フルリエ」のオリジナルは、性能の高さもさることながら、そのケースの美しさ、特にラグの形状に見るべきものがあった。それは、私が若い頃に所有していた1979年式ポルシェ930ターボのホイールのような、官能的ともいえる曲線を描いていた。このような複雑なケースの製造は、失われた芸術のようなものだ。

 

 それに、39mmのケースサイズは、私にとって、視認性とエレガンスを両立させる完璧なバランスだった。8.9mmというケースの厚さもちょうどよいエレガンスを持っていた。ショイフレ氏、そして当時L.U.Cの総責任者だったパウ・インファンテ氏に相談したところ、話は一気にステンレススチールケースの時計に行き着いた。QFをスチールで作るというアイデアが、とてもクールに感じられたのだ。

 

「L.U.C QF ジュビリー The Rake & Revolution エディション」。

 

 

 

 こうしてショパールは、「L.U.C QF ジュビリー」のためにステンレススチールを採用した。そしてデザイン的には、2005年のオリジナルウォッチを忠実に再現し、アールデコ調の見事なセクターダイヤルを採用している。マルチカラーの文字盤の中央に繊細なサンバースト仕上げのシルバーのセクターがあり、その上にシルバーのスモールセコンドダイヤルが重なっている。その外周のインデックス部分はダークカラーで、さらに外周のミニッツトラックは再びシルバーで表現されている。針は槍と注射器を組み合わせたようなシェイプで、ケースはポリッシュ仕上げが施されており、リュウズからラグにかけて息を呑むほどの美しさだ。この25本限定モデルの文字盤は、2005年のモデルとはカラーや模様が異なるが、デザインは忠実で、躍動感とスポーティな雰囲気を醸し出している。ショイフレ氏のオリジナルデザインに強さがあることを証明している。

 

「L.U.C QF ジュビリー The Rake & Revolution エディション」。

 

 

「L.U.C QF ジュビリー The Rake & Revolution エディション」のダイヤル。

 

 

 

 そして今回、ショイフレ氏のご厚意により、私たちはコラボレーション第3弾として、もう少し冒険的で“レーシー”な文字盤を持つ「L.U.C QF ジュビリー」に取り組む機会を得た。そこで私は、精度と品質において世界一の認定を受けているステンレススチール製の時計に、サイエンティフィックダイヤル、もしくはセクターダイヤルを採用したいと思いついた。オメガやパテック フィリップ、ロンジンなど、1940年代のスチールウォッチにこのタイプのダイヤルデザインが多く存在するのだ。しかし、それを実現するためには、私がこの世で最も偉大な時計コレクターのひとりと考える人物に相談すべきだと考えた。ジョン・ゴールドバーガーのペンネームで知られるイタリアの時計収集家で著述家のアウロ・モンタナーリ氏だ。彼はとても寛大な人物で、すぐに協力してくれることになった。しかし、いくつかのデザインを試してみたが、あまりしっくりこなかった。

 

 

「L.U.C QFジュビリー」の魅力をさらに高めべく、ルミナスセクタートラックが採用された。

 

 

ボローニャの自宅で寛ぐアウロ・モンタナーリ氏。(©Revolution)

 

 

 

 そこで、ショイフレ氏とモンタナーリ氏はスイスのメランにあるショパール本社で出会ったところ、すべてがひとつになった。モンタナーリ氏のiPadで彼の持つ宝物のような画像をめくっていると、ふと全員の目がある時計に止まったのだ。それは、ブラックの文字盤に、夜光塗料を塗ったセクタートラックとアラビア数字のインデックスを配したものだった。

 

「この種のダイヤルは実に魅力的ですね。そしてユニークです。実現するためには、古いラジウム文字盤のような、完璧な色合いの“ルミノバ”を見つけなければなりません。が、同時にやり過ぎないように気をつけたいですね……」とモンタナーリ氏が言うと、「同感です」とショイフレ氏が応えた。「このダイヤルの特徴は、スティール製QFウォッチのアイデンティティとよく調和しそうですし、発光するダイヤルは実用性も高くて良いと思います」

 

 こうして、チームは何度も試行錯誤を行い、全員が満足できるデザインに辿り着いた——それが今、皆さんが見ている、ステンレススチール製の「L.U.C QF ジュビリー The Rake & Revolution エディション」である。夜光のセクタートラックとアラビア数字のマーカーを備え、エイジング加工されたブラウンのカーフストラップが付属する。生産本数は、わずか25本だ。

 

 このプロジェクトに素晴らしい貢献をしてくれたショイフレ氏とモンタナーリ氏に感謝したい。この美しい時計は、私自身というよりも、彼らのクリエイティヴィティを表現したものだと思う。

 

「L.U.C QF ジュビリー The Rake & Revolution エディション」のボックス一式。

 

 

「L.U.C QF ジュビリー The Rake & Revolution エディション」

Ref: 168613-3002

 

ムーブメント:機械式自動巻き「L.U.C 96.09-L」

パワーリザーブ:65時間

機能:中央に時、分表示 6時位置にスモールセコンド

ケース:ステンレススチール製、39mm、30m防水

文字盤:ブラック、スーパールミノバを塗布したアラビア数字

ストラップ:ヴィンテージブラウンのカーフスキン、ステンレススチール製ピンバックル

限定数:25本(シリアルナンバー入り)

¥1,881,000(※日本入荷予定なし) Chopard