inCELL Kisarazu The Luxury

ベントレーが似合う
高級賃貸ガレージハウス

February 2023

text tatsuya kushima

photography hayato tsuchiya

thanks to incell kisarazu the luxury

 

 

 

 

 カーブランドの歴史を知った上で経営者や開発者にインタビューし、リリースされるクルマの仕上がりを体感、そして評論するのが自動車を専門とするジャーナリストの仕事であるが、そのライフスタイルを提案するのも一部だと思っている。ヨーロッパやアメリカで行われる国際試乗会では、そんなシーンが設定されるからだ。ウルトララグジュアリーブランドのテストドライブを行う場所は、モナコの老舗ホテルやフランスの古城、地中海のヨットクラブ、モダン建築のミュージアムなどが用意される。

 

 

 

 

 そう考えると、試乗はいつも山道なのは味気ない。どうせ借り出すのであればそのクルマの世界観に沿った場所を設定して走らせたいものである。

 

 ということで、今回はベントレーを2台借り出してinCELL(インセル)木更津The Luxuryへと出かけた。今話題の高級賃貸ガレージハウスである。

 

 

 

 

 目指したのは最高級グレードの部屋。シャッターの閉まるガレージの中に4台並べることができる。しかも、屋根のないスペースにはさらに2〜3台、いやそれ以上置くことも可能だ。乗っていった足や友人の愛車はここに置けばいいだろう。そしてガレージ2階には広いリビングがあり、くつろぎの空間が広がる。好みのイタリアンファニチャーでオシャレなパーティスペースの出来上がりだ。

 

 

 

 

 この部屋の醍醐味は他にもある。テラスの露天ジャグジーだ。温水対応で一年中楽しむことができる。木更津は雪は降りそうにないからね。とはいえ、寒くて入りたくなければLEDライトでディスプレイとしても使える。きっと妖艶な雰囲気を醸し出してくれることだろう。

 

 

 

 

 クルマはベントレー・ベンテイガハイブリッドとコンチネンタルGTCを連れ出した。クラシックな名門老舗ホテルにも合うが、こうした新しいコンセプトのモダン建築とも相性がいい。伝統を重んじるデザインながら常に新しさを取り入れているのがこのブランドの素晴らしいところである。

 

 

 

 

 多くの人の注目はベンテイガハイブリッドだろう。流行りのSUVであり、電動化モデルである。もちろんブランドバリューは絶大だ。ちなみにベントレーの場合“ハイブリッド”の名称だが、機構的にはプラグインハイブリッドを指す。よって外部充電をし、EVモードもそれなりの距離使える。これが大きな利点だ。早朝のゴルフ、キャンプ、スキーなど周りに気を遣う時間帯をストレス無く活用できる。エンジン音無しでスーッと出発だ。

 

 もちろん総合的な燃費もこれまでとは違う。大排気量+マルチシリンダーの功罪から一歩抜け出した感覚だ。それでいてモーターの美味しいところをうまい具合に引き出すことでパワーに不足は感じない。この手のクルマの絶対的な評価ポイントとなる出だしの力強さと中間加速の底力に不服はないはずだ。その意味で、半導体を含む部品供給がスムーズに回り始めれば、さらなる販売増加は見込めるであろう。

 

 

 

 

 そんなベンテイガとはカテゴリーの異なるコンチネンタルGTCも今回の主役だ。クーペボディをソフトトップにオープンにしたモデルだが、昨年あたりから“GTコンバーチブル”から“GTC”にスイッチした。というか、以前はこの名前の時もあったので戻ったことになる。

 

 パワーソースは4リッターV8ツインターボで550psを発揮する。もはや単なるGTカーではなく、スーパーカーの領域であるのはいわずもがなだ。アクセルを踏み込むとけたたましいレーシングカー的エキゾーストノートと共に、周りの景色を置き去りにする。長年ベントレーと近しくしているが、これこそがこのブランドのアイデンティティであり、キャラクターである。

 

 

 

 

 感心させられるのは、それでいてインテリアのデザインや素材、ディーテールの仕上がりがエレガントであること。これだけの走りをドライバーに堪能させながら、アルミ抜き出しのぶっきらぼうな世界とはほど遠い。やはりそこは英国のジェントルマンを相手にしてきた経験値とポリシーだろう。世界中にそんなジェントルマンズ・エクスプレスに憧れるメンズは多いに違いない。

 

 ということで、ウルトララグジュアリーブランドのあるライフスタイルの一日を切り取ってみた。inCELL木更津The Luxuryとともに木更津周辺のドライブもなかなか興味深い。一年を通し、ゴルフ、マリンスポーツ、トレッキング、ジョギング、そして海釣りとアクティブに楽しめそうだ。それに都心じゃ目立ちすぎるオープントップがここでは素直に気持ちよく感じられるのもいい。別荘購入の選択肢の中に高級賃貸ガレージハウスという選択もワルくないのではないだろうか……。