HOW to WEAR, HOW to ENJOY!
鴨志田流着こなし術Vol.23:ショートブルゾンのバランス感を楽しむ
September 2025
鴨志田康人氏が愛するワイドパンツと抜群の相性のよさを誇るショート丈ブルゾン。ふたつを組み合わせた装いを、この秋ぜひ!
text yuko fujita
photography setsuo sugiyama
(左)レザーブルゾンをタイドアップで
ポール・スチュアートのラムスキンスエードブルゾンとシャンブレーシャツ、アルクーリのタイ、セラードアーのワイドパンツ、ルーディックライターのシューズ。「映画『アンタッチャブル』のアンディ・ガルシア的な、タイドアップでの合わせです。最近、これアリだなって」。レザーブルゾン¥220,000 Paul Stuart(ポール・スチュアート 青山本店 TEL.03-6384-5763) タイ¥18,700 Arcuri / United Arrows Roppongi Hills(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店 TEL.03-5772-5501) シャツ、パンツ、シューズ すべて property of Yasuto Kamoshita
(右)ショートブルゾンにはクリース入りトラウザーズ
伝統的な米沢織をポリエステルキュプラナイロンで表現した、ユニークなブルゾン。「無地がずっと続いていたので、こういった60年代っぽいダークマドラス的な雰囲気がありつつ和っぽさもある色柄が新鮮かな、と。遊びを入れてチェックのトラウザーズを合わせていますが、いずれにしてもブルゾンにはクリース入りのトラウザーズを合わせてカジュアルアップしていくのがオススメです」。ブルゾン¥31,900、Tシャツ¥16,940、ウールパンツ¥29,920 all by United Arrows / United Arrows Roppongi Hills(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店 TEL.03-5772-5501)
鴨志田康人/Yasuto Kamoshita
1957年生まれ。ビームスを経て1989年、ユナイテッドアローズの設立に参画。クリエイティブ ディレクターを経て現クリエイティブ アドバイザー。2008年に「カモシタ」を始動。ポール・スチュアート、フェリージの日本におけるディレクター、タイのザ・デコラムのプライベートレーベルのディレクターも務めている。
「秋の立ち上がりに重宝するアウターとして、昨今はシャツアウター的な“羽織り系”のアイテムが人気です。チョアジャケットもその流れから注目されていますが、今私がより気になっているアイテムは、ショート丈のブルゾンです。特に最近の気分であるワイドパンツとの相性がとてもいいのが、新鮮に感じている理由です。今回は、バラクータのG9やヴァルスターといったオーセンティックなアイテムを改めて今の気分で着たらどうなるかというところを含めてスタイリングしてみました。見せ方を変えるだけで、定番のアイテムでもだいぶ新鮮な感じに見せられます。ワイドパンツとの組み合わせで、ぜひ楽しんでみてください」
クラシコ色を排したヴァルスターの装い
ヴァルスターのゴートスエードブルゾン、ジムフレックスのオールブラックスの英国製ラガーシャツ、カモシタのリネンパンツ、クラークスのデザートブーツという合わせ。「ヴァルスターがクラシコイタリアの薫りを引きずりがちなので、どう鮮度を出していくかというところで、ダークブラウンと黒を組み合わせたのと、ラガーシャツの白い襟でコントラストをつけたのがポイントです。ポロシャツだとちょっと物足りないんですよね」。すべてproperty of Yasuto Kamoshita
素材と色で鮮度溢れるショート丈ブルゾン
デコラムのブルゾン、セントジェームスのボーダーT、ミリタリーパンツ、アディダスの「サンバ」という合わせ。デコラムは今をときめくバンコクのセレクトショップで、鴨志田氏がオリジナルレーベルのディレクターを務めている。「1950年代のレーヨンブルゾンを、サテン織りのリネンコットンで再解釈した新作のブルゾンです。素材と色も含め、モード感のある雰囲気に仕上がったと思います」。すべてproperty of Yasuto Kamoshita
マーク・ロスコの色彩の世界を楽しむ
80年代にビームスで展開していたP&Oの高密度コットンブルゾン、Hのサマーニット、ポール・スチュアートのコットンシルクパンツ、ハンシューメーカーのローファー、そしてファニ レママイヤーのアルパカカーディガンを肩がけしたスタイル。「赤をどう着たらカッコいいかというのがマイブームで、その色合わせを楽しんでいます。カッコいいことをいうと(笑)、マーク・ロスコの赤が大好きなんです。テート・モダンに飾ってある赤から茶色、黒にかけてのグラデーションが昔から好きで、それをイメージした感じかな」。すべて property of Yasuto Kamoshita
あのG9の鮮度を格段に高めた装い
バラクータのG9、デコラムのパジャマシャツ&パンツのセットアップ、G.H.バスのキャンプモカシンという合わせ。「80年代に購入したバラクータのG9は、最近の私にはなかなか合わせづらくややご無沙汰していたのですが(笑)、デコラムで作ったクラブストライプのパジャマシャツ&パンツのセットアップに合わせることで、やんちゃなブリティッシュスタイルを匂わせる、鮮度あるスタイルに仕上がりました」。すべて property of Yasuto Kamoshita
「The Rake 日本版」Issue65より抜粋












