GAZIANO & GIRLING FOR THE RAKE:
THE URBAN COMMANDO BOOT

THE RAKE別注 、ふたつの顔を持つ
アーバン・コマンドー・ブーツ
“ガジアーノ & ガーリング”

July 2020

 

 トニー・ガジアーノは言う。

 

「私たちはすぐに、このブーツは、われわれのシグネチャーのひとつである“DECO”ラストをベースに、デザインされなければならないと思いました」

 

 ディーン・ガーリングは続ける。

 

「しかし、この種の靴には通常、上品で薄いレザーソールを使用されています。しかし今回のTHE RAKEとのプロジェクトでは、シェイプされたアッパーと、グッドイヤー製法、そしてアグレッシブなコマンドー・ソールを組み合わせなければなりませんでした。問題は、コマンドー・ソールは、通常4分の1インチの高さがあり、はるかに丸く広いストームウェルトを持つ、ウエストがほとんどないブーツのために作られていることでした」

 

 プロトタイプのブーツでは、ガジアーノ&ガーリングはコマンドー・ソールの壁を削って、自分たちでウエストの形を作らなければならなかった。ガジアーノは説明する。

 

「このモデルでは、クリート(靴底の突起)がエッジまで届く特殊なトレッドソールを開発し、これまでのクリート・ラバーソールの中で、最もウエストの狭いソールを採用しています」

 

 

 

 

 ブーツは目を見張るような美しさだ。上から見ると、素晴らしい彫刻のような形をしている。スズメバチの腰のように、上品でエレガントなシェイプだ。しかし、下から見ると、コンバットブーツそのもので、世界と戦う準備は、すでにできているようだ。

 

 THE RAKEの編集長、トム・チェンバリンは言う。

 

「最初にトニーとディーンと話し始めたとき、このタイプのブーツは、すでに存在しているに違いないと思っていたのです。しかし驚いたことに探してみると、このようなエレガントなアッパーと、アグレッシブなソールを持つブーツは、誰も作ったことがないと気がつきました」

 

 

 

 

 THE RAKEのクラフト&テーラーリング・ライターであるアレクサンダル・クヴェトコヴィッチは、「究極のエレガンスとパフォーマンスを求める、妥協しない男のためのブーツ」と付け加えている。

 

 要約すると、アーバン・コマンドー・ブーツは、一部はシャルル・ボードレールであり、一部はフリードリヒ・ニーチェなのだ。フェラーリのデザイン・ディレクター、フラビオ・マンゾーニは、まるでプレデター(捕食者)のようなクルマを作る。このブーツは、それと同じクオリティを持っている。これは最もレイキッシュな、人生の冒険者へのプレゼントなのだ。

 

 

 

 

 THE RAKEのEコマース・ショップ専用に作られており、ふたつのバージョンがある。ひとつ目はミディアム・ブラウンのスムース・カーフ、ふたつ目はペブル・テクスチャーのフレンチ・アルパイン・レザーだ。どちらのバージョンも真鍮製のスピードフックが特徴で、木製のシューツリーが付属している。それぞれ12個ずつの限定生産である。

 

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