BRINGING IT HOME
ハケットの“サヴィル・ロウ”を体験する
August 2020
text tom chamberlin photography kim lang
砂時計のようなシルエット
彼は、クライアントの体形に必ずしもぴったり合ったスーツを作るとは限らないと言った。それよりもクライアントをより引き立たせるシルエットを作るのだという。そのためにジャケットの上半分、胸の回りに追加の副資材を入れ、ウエストに向けて、より絞り込んだシルエットを形作っている。
私の場合もその試みは成功しており、締め付けや窮屈さを感じないにもかかわらず、まるで砂時計のような、完璧なシェイプができていた。私は最初から、フレスコのようなパリッとした生地を使用する夏のスーツは、シャープであるべきだと考えていた。
あなたもアクションを
フィッティングが進むにつれて、テーラールームにある製作中のスーツの数は、どんどん増えていった。ということは、このサヴィル・ロウにおいてJ.P.ハケットのビスポーク・サービスは、もはや一部の人間だけの秘密ではないということだ。ハケットは、英国で最も強力で、幅広い商品を扱うブランドになりつつある。その事実に気づき始めている人は、すでにアクションを起こしている。そして、あなたもそうするべきだ。
折り返しとラップ加工されたトラウザーズの縫い目。
ふたつボタン留め、2インチの幅のウエストバンド。