ALFONSO SIRICA “Beams Exclusive Suit”

休日も着たくなるナポリスーツ

September 2023

photography jun udagawa

styling akihiro shikata

 

 

 

アルフォンソ シリカの服は土着的な仕立てのイメージが強いが、こちらはいい意味での味わい深さは残しながらも、コテコテにならないよう薄めており、“ナポリ感”の塩梅が絶妙だ。タートルネックニットがこれほど自然に溶け込むスーツはそうはない。スーツ¥385,000 Alfonso Sirica、ニット¥39,600 John Smedley、チーフ¥7,920 Paolo Albizzati /all by Beams F(ビームスF TEL.03-3470-3946)

 

 

 

 6歳の頃からミシンに触れはじめ、10歳で祖父のスーツを分解して従兄に仕立て直してあげたというナポリのアルフォンソ・シリカは、18歳からニコラ・フスキッロの仕立て学校に通って首席で卒業。伝説の仕立て職人、ロベルト・コンバッテンテの教えを受けたこともある、彼の世代では珍しい叩き上げ系だ。

 

 ナポリ郊外の農業地帯にサルトリアを構える氏の服は、土着的な雰囲気があり大変味わい深い。こちらビームスのエクスクルーシブモデルは、胸ポケットの位置を低くして口幅を広げ、カマを深くし、前肩を修正。柔らかめの芯地にし、着丈は1.5cm長く、前丈を後ろよりも4cm長くした“前下がり”にするなど、細かく修正したという。結果、肩肘張らずに着られる1着へと仕上がった。起毛感のある美しいブルーのウールは、タートルニットと合わせた装いにも完璧に馴染む。こんなスーツなら休日でも着たくなる。

 

 

Alfonso Sirica/アルフォンソ・シリカ

1961年生まれ。故郷でもあるナポリ郊外サレルノ県サン・ヴァレンティーノ・トーリオにサルトリアを構えている。スカイダイビング、乗馬、ハンティング、自転車、バイクと多彩な趣味をもち、セスナ機を所有していたことも。息子のファビオ、6名のサルタとでサルトリアを切り盛りしている。大のナポリピッツァマニアでもある。