A Luxury Wellness Journey at Six Senses Kyoto
心と身体を整える。「シックスセンシズ 京都」で過ごす極上のリトリート
May 2025
時代を超えて人を魅了し続ける古都・京都。その東山エリアに、心身を整えるためにわざわざ訪れたいホテルがある。それが、2024年開業した「シックスセンシズ 京都」だ。ここには忙しく生きる現代人にぴったりな、多面的なリチャージプログラムが充実したホテル。最先端の科学と人間の叡智を融合させた京都のリトリートへ、いざゆかん。
text misa yamaji
智積院や京都国立博物館にも近い「SIX SENSES KYOTO(シックスセンシズ 京都)」。
昨今、オープンラッシュが続いている日本のホテル。
“食と旅の編集者”として働いている私は、仕事柄、ほぼ毎月国内外のさまざまなホテルへ取材に行くのだが、そんな私が“身体に向き合って、数日じっくりと過ごしたい”とここ数年で一番心惹かれたのは、リゾート地ではなく京都のホテルだった。
どこかといえば、それは2024年開業した「SIX SENSES KYOTO(シックスセンシズ 京都)」だ。
ここは、ホスピタリティ業界におけるウェルネスをリードしてきたシックスセンシズブランドの日本初となるホテル。それだけに、デザイン、食、スパ、アメニティなど全方位的に一般的なシティホテルとは一線を画しているというのはわかっていた。
しかし、その充実ぶりが想像以上だったのだ。
1995年にインド洋で誕生したシックスセンシズは、ソヌとエヴァのシブダサニ夫妻により創設された。以来、離島リゾートや山岳リトリートを中心にラグジュアリーホテルを展開し、単なるラグジュアリーに留まらず、ウェルネスとサステナビリティを核に据えたホスピタリティのあり方を再定義し続けている。
2023年からは、多忙な現代のライフスタイルに合わせたウェルネスを提供するため、都市型ホテルも展開。京都はまさに、その都市型ホテルのアジア第一号だ。
部屋から中庭の緑が望める。「デラックス ガーデン キング」の部屋
京都市東山区という歴史の息づく静謐なエリアに佇むこの「シックスセンシズ 京都」は、清水寺や三十三間堂といった文化遺産にも程近い。
館内は全81室の客室とスイートで構成され、平安時代の「雅」を現代的に再解釈したデザインが印象的だ。ロビーの天井には折本の意匠を施し、504枚の楽焼で彩られた屏風や鳥獣戯画のモチーフ、客室番号を示す狐の面など、遊び心と文化的な要素が随所に散りばめられている。
遊び心溢れた客室のサイン。
ロビーや各客室からは中庭を一望できる。この庭の作りが素晴らしい。土地の規制や限られた場所で、オアシスのような心地よい空間を作り上げているのだ。
プレイスメディアによって設計され、寺社仏閣の庭園の維持管理を手掛ける山田造園によって手入れされているこの庭は、斜面に立つこのホテルの地形を活用し、立体的な庭を形成している。地下2階に位置する中庭も、この斜面を利用することで、陽光がふんだんに降り注ぎ、地下階に位置するダイニングにも自然光が行き届く設計だ。街中にありながら、まるで森の中にいるかのような静けさと深い安らぎをもたらしてくれる。
ロビーに足を踏み入れれば、静寂が広がる。
前置きが長くなったが、このホテルの白眉は充実のスパ施設だ。
「シックスセンシズ スパ 京都」では、伝統的なヒーリングと最先端の科学を融合させたユニークなプログラムを展開している。スマートサイエンスに注目したスパメニューは世界に目を向ければ珍しくないが、日本ではまだあまり見かけない。「シックスセンシズ 京都」はこうした世界最先端のトリートメントに加え、京都の禅思想を融合した多岐にわたるプログラムを用意しているのだ。
「バイオハックリカバリーラウンジ」は日本全国のホテルでも導入はほとんどない。
「なんとなく、疲れがたまっている」という方は、まず約30種のバイオマーカーと10種のインジケーターによる「ウェルネス スクリーニング」を受けるところから始めてほしい。
自分の身体は自分ではよくわからないもの。専用の機器と専門家によるヒアリングを経て、身体の状態を可視化してもらうのは、知らなかった状態を知ることができ、面白い。その後、スパトリートメントはもちろん、瞑想、ヨガ、水中ボディワークまで多面的なプログラムから個別に最適な施術やセッションを提案してくれる。
「睡眠改善」「活力アップ」など自身の希望にあわせて、バイオハッキングのデバイスを調整。このLEDフェイスマスクは細胞を活性化させるのだとか。
例えば精神的な安らぎには、シックスセンシズ 京都限定シグネチャートリートメント「阿吽」を。これは香を焚いて心身を整え、音叉の振動を用いて気の流れを促すものだ。禅の思想を体現したこの施術は、内なる静けさを引き出す特別なひとときである。
「バイオハック リカバリー ラウンジ」(最先端機器を活用して疲労回復を図る専用エリア)も面白い。これは特殊なライトを浴びて、しばしリラックスすることで細胞を活性化させる機器などが用意されている。
サウナ好きにもうれしい、広いサウナと深い水風呂。普通のお風呂も広く、ゆったりと過ごすことができる。
他にも、京都府内で唯一となる「WATSU(ワッツ)」専用の温水プールや、スタジオでのヨガプログラムなどもあるので、組み合わせて体験することで身体の芯から感じるリカバリー体験が可能だ。
十分にリラックスしたら、夜はサウナと湯船で身体をリラックスさせよう。男性女性どちらの温浴施設にもスチーム、ドライサウナ双方を完備。水風呂は水深が1.2mあり、頭まで潜ることができる。これはシティホテルでは珍しい仕様だ。
旬のエネルギーを食で取り入れる
身体の外だけでなく、中からのエネルギーチャージも重要だ。
シーズナルダイニング「Sekki(節気)」では、日本の伝統的な二十四節気のコンセプトからインスピレーションを得て、地元食材を厳選して使用。
シーズナルデイダイニング「Sekki(節気)」。
ここでは日本の伝統的な知恵と技が注ぎ込まれた、滋味豊かで身体にも優しいコンテンポラリー料理が提供される。
鮮度の高い食材を生かした料理をいただけば、身体の中から活力がわいてくるだろう。
「Sekki」での朝食。
朝食もまた、しかり。セミビュッフェ形式で、炊き立てのごはんやおばんざいなど、京都らしいラインナップから、焼きたてのホームメイドパンとペストリー、デトックスジュースまで国産の厳選素材を用いたバラエティ豊富なメニューが並ぶ。その日の気分でメニューを選ぶ楽しさがあるのも嬉しい。
2日間にわたる「スリープケーション」では、睡眠のトラッキング、ほか睡眠に関するプログラムやアドバイスが用意されている。
そして、よく眠れない、眠りが浅いなど、睡眠に不安を抱えている人にぜひ注目してほしいのが、睡眠をテーマにした宿泊プラン「Sleepcation(スリープケーション)」だ。
これは、睡眠専門医とシックスセンシズが共同で開発した快眠プログラム「Sleep With Six Senses」に基づき、睡眠にフォーカスしたスパトリートメントやヨガを含むプログラムと特別な食事を用意したもの。
シックスセンシズ 京都では全室にオリジナル仕様のリカバリーパジャマ「BAKUNE」を用意。
京都には美食巡りに寺社仏閣などの歴史探訪、自然と親しむなど、いろいろな魅力に溢れている。あれもこれもと、スケジュールをつめすぎてしまった旅の最後に、ぜひ数日ここで滞在してほしい。
シックスセンシズ 京都
京都府京都市東山区妙法院前側町431
TEL.075-531-0700