One and Only Omakase Experience with Pairing at Four Seasons Hotel Kyoto
「鮨 銀座おのでら」がフォーシーズンズホテル京都に誕生、極上の江戸前寿司とペアリング体験
December 2024
フォーシーズンズホテル京都に、新たな江戸前寿司の風が吹き込まれた。世界で愛される「鮨 銀座おのでら」が、京の伝統と江戸前の技を融合させた一軒をオープンさせたのだ。その魅力に触れてみよう。
text yukina tokida
京都の東山に佇むフォーシーズンズホテル京都は、インターナショナルブランドならではの多様性に溢れるオープンな雰囲気と、日本ならではの厳かで風情がある特別な空間だ。
現在、同ホテルの総支配人を務めるフランス出身のファニー・ギブレ氏は、日本をこよなく愛する張本人のひとりで、今回の来日は彼女が長年夢見ていたことだった。そんなギブレ氏が2023年に就任してから、ホテル細部に日本らしい美意識やエッセンスをより一層感じられるようになり、さまざまな点でアップデートが図られている。
ダイニングも進化を遂げており、今年初めに行われたメインダイニングのコンセプト変更に続き、この10月には「鮨 銀座おのでら」もオープン。京都で本格的な江戸前寿司が味わえる、新たなスポットとして注目を集めている。
東京各地でお馴染み(特に年始にテレビを見てご存じの方も多いかもしれない)の同店は、ONODERA GROUP傘下の外食事業「銀座おのでら」ブランドのひとつで、今や3カ国21店舗(海外5店舗、日本国内16店舗)を構える急成長中のグループ。その本格的でありながら肩肘張らない雰囲気、新鮮なネタ、そしてにぎり鮨にとどまらない多彩なメニューで国内外のゲストを魅了している。
多くの店舗があるからこそ、各店で差別化を図っているのもここならではの特徴。フォーシーズンズホテル京都でも、「鮨 銀座おのでら」らしさと京都らしさが織りなす、唯一無二の空間がゲストをもてなしてくれる。
ゲストを迎える一枚カウンターは樹齢400年のひのき。箸置きは備前焼のもので、コースターは京織りのもの。ひとつとして同じものはない。カウンターの奥には、京焼の調度品が並ぶ。
料理長の久保氏は、ハワイやニューヨークの料理長も務めてきた人物。ニューヨークで着任していた5年間は、連続でミシュランの星を保持し続けた実力派だ。
提供されるディナーメニューは、おつまみと握りの数が異なるおまかせ2種類のみ。ひとつはおつまみ5種に握り8貫、もうひとつはおつまみ8種に握り10貫の構成となっている。基本的には銀座本店と同様の流れとなっているが、筆者が訪れた際のメニューをもとに、一部をご紹介したい。(※紹介するメニューは試食当日のものとなります。今後変更となる可能性あり)
最初に出てくるのは、おのでらの一品目として定番の「銀座おのでら季節の茶碗蒸し」。これは最初に温かい品をお腹に入れて食事をスタートしてほしいという思いから生まれたもの。シンプルなレシピで作られる茶碗蒸しだからこそ、当たり前のものを上質に作りあげるという初心を忘れないようにとの思いも込められている。
そのあとに刺身やカマスの祐庵焼き、揚げ物を経て、握りがはじまる。白身やマグロ、エビや光り物、イカや本日のおすすめをはじめとする季節のネタ、小丼や1時間以上かけてじっくり焼き上げられた玉子焼きまでまんべんなく堪能できるおまかせの内容だった。ネタは、おのでらならではのネットワークを生かした豊洲市場や北海道直送のものに加え、京都の市場から取り寄せたものまで用意されていた。
左:この日の茶碗蒸しには、ベニズワイガニと雲丹を合わせて。温かな一品で食事が始まると、自然と心がほぐれる。右:刺身は京都の市場から仕入れた「アズキハタ」。冬にかけてヒラメが登場する予定。梅干しと鰹節、昆布で作った特製の煎り酒とともに。
天草産の大ぶりの車海老。硬めに炊いたシャリには、赤酢を合わせて。
漬けマグロやトロももちろん握りで味わえる。かの有名な「やま幸」の本マグロを使用。
新生姜を使ったガリ。ゲストに提供する前に華麗な包丁さばきで薄くスライスされる。酸味が抑えられていて、甘味もちょうどよい味付けだった。
特に注目したいのは、銀座おのでら初の取り組みとなるペアリングメニューだ。常駐しているソムリエによる、ワイン、日本酒、そしてティーペアリングから選ぶことができる。
なかでもティーペアリングでは、静岡や京都など国内の名産地のもののなかでも、農業不使用栽培にこだわった厳選茶葉だけを使った「ザ ティー カンパニー」のお茶を楽しめる。
また、すべてのドリンクが世界最高峰のグラスメーカー「Zalto(ザルト)」のもので提供されるのも、ここならではのポイント。これはフォーシーズンズホテル京都の敏腕ソムリエである中野氏によるこだわりで、数あるグラスの中でも、そのドリンクの良さや、香りが最も引き立つグラスを選んだという。
この日のお酒のペアリングメニューでは、「飛露喜 純米大吟醸」が供された。ザルトのグラスで飲むことで、その香りの豊かさを段違いに感じられた。ワイングラスで日本酒を提供することも、小野寺としては初の試みだという。
ティーペアリングでは「ザ ティー カンパニー」の、緑茶、ウーロン茶、紅茶、フレーバー紅茶などの多彩なお茶を楽しめる。
ここでのペアリングのコンセプトは、食べ終わったあと、食べ終わる寸前に溢れ出てくる食材の余韻に合うこと。関西ではまだなかなか出会うことのできない本格的な味わいの鮨に合うように、食材の余韻に寄り添いながら、香りや旨味が調和する至福のひとときを演出してくれる。
締めは、創業当時から続く、全世界の「鮨 銀座おのでら」で提供しているシグニチャー的存在のデザート「ココナッツのブランマンジュ」。上にかけられているのは、濃茶のソース。甘味と苦味が見事に調和した味わいが、極上のコースを締めくくる。
締めのデザート「ココナッツのブランマンジュ」。
なお、宿泊ゲスト限定の楽しみとして、「エンバ・キョウト・チョップハウス」での朝食ブッフェでは「銀座おのでら特製の太巻き」が提供される。職人が前夜に巻き上げ、翌朝にベストな状態で楽しめる一品で、現時点ではこの朝食のみで味わえる貴重なメニューだ。
“京都で味わう江戸前寿司”という新たな楽しみ方。フォーシーズンズホテル京都ならではのおもてなしと「鮨 銀座おのでら」の職人技が紡ぐ特別な時間は、訪れる人々の心に深く刻まれるだろう。
鮨 銀座おのでら フォーシーズンズホテル京都店
TEL. 075-541-8288
www.tablecheck.com/ja/shops/fourseasonshotel-kyoto-sushionodera/reserve
フォーシーズンズホテル京都
TEL. 075-54108288(代表)