London Bars That Left a Lasting Impression

ロンドンで行くべきバー 4選

October 2025

THE RAKE 日本版 Issu66でご紹介したアジアのバーシーンを巡る旅。その番外編として、筆者がロンドンを訪れた際に深く印象に残った4軒をお届けする。

 

 

text yukina tokida

 

 

 

Side Hustle, Covent Garden

 

 

 

 今年、世界のバー業界における“アカデミー賞”と呼ばれる「Best International Hotel Bar」に見事選ばれた〈Side Hustle〉は、ロンドンが誇る歴史的空間で、ラテンアメリカの情熱とアガベスピリッツを使ったカクテルを味わえるバーだ。大理石のカウンターやダークトーンの木材、アイコニックな照明が彩る店内はブリティッシュパブをも彷彿とさせる。ホテル「NoMad London」を目印に訪れてみてほしい。

 

 

シグネチャーカクテルのひとつ「Tequila Sunrise」。アルトス・ブランコ・テキーラにパッションフルーツ、トマト、バニラ、サングリータを合わせた爽やかな一杯。レシピからわかるように、日本でも馴染みのある同名のそれとはまったく異なる味わいのカクテルだ。

 

 

 

 

Dover Yard, Mayfair

 

 

〈Dover Yard〉が位置するのはホテル「1 Hotel Mayfair」の1階。店内は石を積み上げた壁や暖炉、木材、植物が多用されており、都会のオアシスのような空間だ。地元食材や旬の素材、再利用した食材を活かしたカクテルは、どれも独創的でオリジナリティに溢れたものばかり。店外にラボも併設しており、右のカクテルで使用している自家製ビールやキノコ栽培などはここで行われている。

 

 


ギネスビールのような見た目の「Not a Guinness」(上)は、余り物のパンを蘇らせた一杯。パンを麦芽などと一緒に調理し、氷で急冷後、発酵槽で1カ月間熟成させてビールを製造。それをウイスキーや生姜と合わせた。

 

 

 

 

Scarfes Bar, Holborn

 

©Courtesy of Scarfes Bar, Rosewood London

 

 ホテル「ローズウッド ロンドン」の1階にある〈Scarfes Bar〉は、その圧倒的に開放的な空間に誰もが息を呑むだろう。ドローイングルームの雰囲気とジェントルマンズクラブの洗練さに着想を得たバーで、暖炉の炎が揺らめき、居心地のよいベルベットのアームチェアが並ぶ。棚を埋め尽くす1,000冊以上の古書も圧巻だ。週6日、夜にはさまざまなライブ音楽も。バーで飲む楽しさを教えてくれる一軒。

 

 


バーの名の由来は風刺画家ジェラルド・スカーフ。現メニューも彼が描く超現実的な世界をカクテルを通じて旅できるというもの。「Moment of Clarity」(上)は、ラムにりんごやイチジクの葉のソーダを合わせた一杯。©Courtesy of Scarfes Bar, Rosewood London

 

 

 

 

Waltz, Shoreditch

 

 

 

 各国で研鑽を重ねてきた日本人バーテンダー鳥潟彦人(とりがた げんと)氏が今年2月にロンドンにオープンさせた〈Waltz〉は、日本のバーテンディングスタイルを楽しめることもあり、早くも現地で熱い視線を集めている。ひとりであれば開店直後でも入れることもあるが、複数人で訪れるならばウェブ予約が安心だ。木の温もりを感じられるカウンターと、音にこだわったレコードの響きが心地よい。

 

 


上の壁を彩るイラストはスコットランド人アーティストのドゥギー・ハーレイ氏によるもの。和歌山の梅酒を使った「Wakayama」は、最初の一杯にも最適。白酒、知多ウイスキー、バナナ、青リンゴ、梅酒、塩麹を合わせている。

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