Thursday, June 4th, 2026

パルミジャーニ・フルリエが30周年を祝す「カリヨン トゥールビヨン」を発表

 パルミジャーニ・フルリエは、メゾン設立30周年という記念すべき2026年5月29日、創設者ミシェル・パルミジャーニの哲学と歴史的遺産を具現化した「カリヨン トゥールビヨン」を発表した。本作は、世界限定わずか5本という極めて希少なオブジェ・ダール・コレクションである。

 「つくる前に、まず理解しなければならない」。創業当時からのこの確信に基づき、本作の原点には2000年にメゾンのアトリエで修復された19世紀初頭の「ペラン・フレール」製懐中時計が存在する。かつての傑作から、蛇のような曲線を描く「サーペンタイン ゴング」の意匠を、現代的な構造の中で再解釈。時を音へと変えるその複雑な機構は、修復を通じて過去の知性を読み解いてきた同メゾンだからこそ到達できた、「音の建築」である。

 搭載されるキャリバー PF950は、456個もの部品が熟練職人の手作業により緻密に組み立てられ、チャイム機構を搭載しながら約12日間という驚異的なパワーリザーブを実現した。ダイヤル側には音を奏でるハンマーがその機能美を露わにする一方、トゥールビヨンはあえて時計の裏側に配置。18Kホワイトゴールド製ケースは、単なる外装ではなく音を豊かに響かせるための楽器として見事に調律されている。

 歴史的タイムピースの修復から生まれ、時計製造という文化の継承によって育まれたこの至高の結晶は、過去の英知と現代の創造性が共鳴する、パルミジャーニ・フルリエの未来を照らす光となるだろう。

 

text Nobuhiko Takagi