Tuesday, May 24th, 2022
日伊のデザイン、文化、工芸を融合
世界に1台のFerrari Roma
フェラーリ・テーラーメイドとは、フェラーリの各要素をカスタマイズし、自分の個性と好みに合った1台を作りたい顧客のための特別なプログラムだが、この度、このプログラムによって、日本の精巧な伝統工芸をディテールに生かして作り上げた、世界で1台だけのユニークなFerrari Romaが公開された。
カラースキームは、日本の伝統的なインディゴ染料である藍がインスピレーション源となっている。特別に開発された鮮やかなブルーのエクステリア・ペイントは、「インディゴ・メタル」と名づけられ、Ferrari Romaのフォルムを見事に際立たせている。この藍は日本有数の藍の産地である徳島県で5軒しか残っていない藍農家のうちの1軒から学んだもの。エクステリアとインテリアには同じカラー・パレットが使用され統一感を生み出している。
シート・トリムのインサートやカーペットには、古い着物をほどき、布を裂いて糸にして新しい糸と共に織り直すことで、暖かく快適で長持ちする生地に生まれ変わらせる「裂き織り」を採用。ここでは奄美大島で作られた約75年前の藍染めの着物と、約45年前の大島つむぎが使われ、伝統的には着物を裂いたものに綿や絹の糸を織り込むところを、耐久性を確保するために、伸張性に優れたナイロンを織り込んだ。
ヘッド・ライニングには京都の浅井ローケツで染めた2枚の藍染めの革が使われている。1枚は単色、もう1枚は、蠟で防染することで単色の地に複雑な反復模様を浮かび上がらせる、ろうけつ技法を用いて手作業で柄が描かれた。
インナー・ドア・ハンドルも、刀を握る部分を包む柄巻という伝統技法へのオマージュとして、手作業できつく巻きつけたブラックの革ひもを使用。シフト・ゲートまわりやレバーなどのディテールには、京都の老舗、開化堂の銅製の茶筒からヒントを得て日本での加工による銅めっきを採用した。センター・アームレストとドア・シルに設けられたデディケーション・プレートには、日本の家紋のデザインを特注し、ユニークな紋章としてあしらっている。
Ferrari Roma は、ニューヨーク・デザイン・ウィーク期間中、ニューヨークのフェラーリ・テーラーメイド・ショールームに展示されている。