鴨志田康人:大研究
世界が見る鴨志田康人のスタイル vol.1
May 2021
世界の識者はどう見ているのか。
鴨志田氏が選んだ4人が個々の視点でそのスタイルを語る。
Alberto Scaccioni / アルベルト・スカッチョーニフィレンツェ出身、フィレンツェ大学を卒業後、ローマ大学にて博士号を取得。2001年CFMI(チェントロ・ディ・フィレンツェ・ベール・ラ・モーダ・イタリアーナ)総務長就任。2003年よりエンテ・モーダ・イタリア最高経営責任者を兼任。ピッティ・イマジネ・ウオモを世界的なメンズプレタポルテの展示会とした手腕は高く評価されている。
鴨志田氏にとってアルベルト・スカッチョーニ氏は前線でともに戦い、現在のようなピッティ・イマジネ・ウオモをつくりあげてきた長年の戦友のような存在だ。
スカッチョーニ氏は鴨志田氏との出会いと彼のスタイルをこう語る。
「初めて会ったのは友人を介したディナーの席です。初対面のイメージはシャイでしたが、とても自信に満ちていた。彼の温かい人柄もあって、すぐに親しくなりました。当時の上司で会長だったアルフレッド・カネッサ氏は装いの上でも私が規範とする人物でしたが、彼はリヴェラーノ&リヴェラーノの顧客で、鴨志田さんがリヴェラーノに来始めた2000年代初期、彼も私と同様に思っているのを知りました。以来、この縁を大事に思っています。
彼のスタイル自体はインターナショナルですが、強いイタリアの魂とフランス特有のアリュールがあり、日本人特有の完璧主義も備えている。アプローチは日本人だが、最終結果はヨーロピアン。このミックスに彼の温かな微笑みが加わると最強でしょう。
彼にはイタリアを代表してお礼が言いたい。本当のイタリアンスタイルを理解し、実践している最高のアンバサダーのひとりだからです。これからの日本人にとって彼の後を追うことは簡単ではありません。文化を理解する献身的努力と情熱が必要だからです。彼のような先達を得たことを感謝すべきでしょう」
鴨志田氏とスカッチョーニ氏、ともにウェルドレッサーとして知られるふたり。着こなしのスタイルは異なっていても相通じるものがある。写真は共通のファッションアイコンであるウィンザー公の写真を前に撮影。写真はウィンザー公が1950年代にフィレンツェに滞在したときのもの。ダブルブレスティッドの低いボタン位置が絶妙だ。