November 2022

Exclusive Interview: MICHAEL SHANNON

俳優:マイケル・シャノン
名声に対する無関心

評価の高い作品に次々と出演し、華麗なる経歴を持つ俳優マイケル・シャノン。
それでも彼は、いわゆる“超有名人”ではないし、至って“普通の男”。
名声に対してもすこぶる無関心なのである。
text jeremy huxley
photography michael schwartz
fashion direction grace gilfeather

Michael Shannon / マイケル・シャノン1974年、ケンタッキー州レキシントン生まれ。両親の離婚に伴いシカゴと行き来して育つ。シカゴでレッド・オーキッド・シアターを立ち上げ、舞台出演するようになり、1993年に『恋はデジャ・ブ』で映画デビュー。その後話題作への出演でキャリアを積み重ね、『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』(2008年)でアカデミー助演男優賞にノミネート。演技力の高い個性派俳優としてその存在感を高めている。

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 7月初旬、ニューヨークの自宅からオンラインインタビューに応えてくれたマイケル・シャノンは、少なくとも気持ちの上では、大西洋を挟んだ(ウィンブルドン選手権を開催中の)こちら側にいたようだ。

「大のテニス好きでね、ちょうどジョコビッチがノリーと対戦するのを観ていたところさ。その前はナダルとフリッツの試合を観ていた。ナダルは痛そうだったね。でもまだここまで勝てるんだなあ」

 単なる世間話に聞こえるかもしれないが、彼がテニスの話題を持ち出した理由は、アカデミー賞、ゴールデングローブ賞、トニー賞にそれぞれノミネートされた経験を持つ彼の天職に関係している。

 これだけのことを成し遂げ、評論家からも称賛されてきたというのに、シャノンはいわゆる“超有名人”にはなっていない。では、それがテニスとどう関係してくるというのか。彼はこう続ける。

「アンドレ・アガシの自伝を読んだんだけど、彼曰く、テニス界には同じレベルの選手がたくさんいる。そして皆同じショットの打ち方を知っていて、同じ練習をしている。だから勝敗を分けるのは、意思と意欲がどれだけあるか、誰が一番タフかの競い合いなんだ、と。僕は演技にも相通じる点があると思ってる。役者として自分が見せられるものは、そこに至るまでの準備とそこに込める思い、思考の量に比例するからね。魔法のようにすっと頭に入ってくるものじゃない」

本記事は2022年11月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 49

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