Dressing for a New Era 07
THE RAKEが注目するファッショニスタたち vol.7
April 2021
UNITED ARROWS
ソブリン ブランドディレクター
格段に新鮮さが増す
photography tatsuya ozawa
Hiroyasu Ota1969年神奈川県生まれ。服好きが高じて学生時代からユナイテッドアローズ 原宿本店にてアルバイト勤務し、キャリアをスタート。その後、社員になり、ザ ソブリンハウスの立ち上げに参画。店長、バイヤーを経て、現在はソブリンのブランドディレクター兼バイヤー。趣味はフライフィッシング、ライフワークは剣道。時計好きとしても知られている。
もともと3ピースで仕立てたリヴェラーノ&リヴェラーノのスーツはVゾーンが狭めで、タートルネックニットを合わせるのにぴったり。素材はサージウールだが、フランネルなどの紡毛系もオススメ。光沢のある生地よりもマットな生地のほうがしっくりくる。タッセルスリッポンだと重すぎるので、足元にはベルジャンシューズを。タートルネックニット¥17,000 Sovereign / United Arrows Roppongi Hills
ユナイテッドアローズのミスター・クラシックといえば、太田裕康氏だ。氏のスタイリングは基本的にすごくシンプル、オーセンティックで奇を衒ったところがなく、それでいていつも洗練されていてそつがない。
アイテムの意外な色使いだったり、素材のちょっとしたこだわりだったり、組み合わせの妙だったり、サイズのバランスだったり、そういったひとつひとつの集積によって、太田裕康というひとつのスタイルを築き上げているのだ。氏はそれを、なるべくシンプルにわかりやすくお客様に伝授してきた。
「仕事でスーツを着る機会が減ってしまった人がほとんどの今、だったらオフでお洒落を楽しむためにスーツを着ましょうというのが私の提案です。ただ、遊び着のスーツを改めて買う必要はありません。これもオーセンティックなサージのペンシルストライプのスーツなんですけど、これにタートルネックニットを合わせると、とても新鮮な感じにまとまります。ジャケットにクルーネックニットを合わせている人って多いと思うんですけど、あれってなかなか間持ちしないと思うんです。その点タートルネックニットはいい感じのこなれ感を生んでくれます。その際のスーツは梳毛で光沢がありすぎてもダメですけど、フランネルからこのくらいのサージのものだったら決まりやすいんじゃないかなと思うんです」
そして、新鮮さを生むもうひとつの重要なキーワードとして黒をあげている。
「クラシックの世界では今までなかなかありませんでしたが、ウールトラウザーズなどで黒を取り入れると、大人っぽくまとまりつつ新鮮さが生まれます。春夏に黒を着るのも案外いいものですよ」
エンメティのUA別注ピッグスキンブルゾンに、ウールトラウザーズの組み合わせ。色を絞った美しいグレイのトーンと、大人のゆとりあるシルエットの装い。ライダースブルゾン¥125,000 Emmeti/United Arrows Roppongi Hills(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店 Tel.03-5772-5501)
ちょっとした食事のときに、日常に非日常の高揚感を得られる黒のスタイリング。ニットとスエードのコンビによるフィオローニのサファリジャケット(私物)、黒のタートルネックニット、ロータの黒の4プライフレスコウールトラウザーズ(私物)。タートルネックニット¥17,000 Sovereign/United Arrows Roppongi Hills(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店 Tel.03-5772-5501)
太田氏の注目&愛用アイテム
ジャケットやレザーブルゾンのインナーに最適な私物のプラダのニットポロ、圧倒的な存在感を誇るジョン ロブ「ロペス」の新作。¥198,000 John Lobb/United Arrows Roppongi Hills(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店 Tel.03-5772-5501)
春夏にも取れ入れたい黒。私物のロータの4プライフレスコウールトラウザーズ、無骨さが皆無のシルキータッチなナイロンコート¥80,000 Sealup/United Arrows Roppongi Hills(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店 Tel.03-5772-5501)
本記事は2021年1月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。
THE RAKE JAPAN EDITION issue 38