BMW 750 Li xDrive PURE METAL EDITION

人間国宝とBMW
唯一無二の存在

January 2021

BMWが挑む“日本の名匠プロジェクト”から、新しい傑作が生まれた。
インテリアに人間国宝・奥山峰石氏のアートピースをあしらい、エクステリアにドイツのハイテク塗装を施した、日独共演の一台である。

BMW 750 Li xDrive PURE METAL EDITION量産車とはひと味違うこだわりと技術が反映されている特別仕様車。深い輝きを放つ特別塗装“ピュアメタル・シルバー”に目を奪われる。重厚なメタルの塊感と、磨き込まれた表面の美しさを実現しているのは、塗料の粒子密度、厚みある塗装面とその平滑性だという。
全長×全幅×全高:5,265×1,900×1,485mm
エンジン:V8 4,394cc
最高出力:530ps@5,500rpm
最大トルク:750Nm@1,800-4,600rpm
駆動方式:4WD
¥26,500,000(税込)
オンライン販売1月29日開始。2台限定。
詳細はこちらより:www.bmw.com/ja/design/7ser-pure-metal-project1.html

 伝統と革新を両輪として前進するBMWが、まったく新しい試みに取り組んでいる。シリーズに大いなる価値を与える“日本の名匠プロジェクト”だ。これは日本を代表する伝統工芸を取り入れ、美を極めた特別仕様車を造り上げていくというもの。前回大好評のうちに完売した8シリーズ グラン クーペに続き、今回のベース車となったのはBMWの最上級セダン7シリーズ、750Li xDrive Excellence。そして製作を担当したのは、人間国宝・奥山峰石氏である。

 奥山氏は鍛金の達人だ。数々の受賞歴を持ち、その作品は有名美術館でも特集・陳列される。特に得意とするのは象嵌(ぞうがん)の技法である。切り出した模様と地金を熱し、金鎚で打ち、はめ込んでいく。これより生み出されるのが、豊かな自然の描写だ。金属で作られているとは思えないようなこまやかな枝葉、繊細な花が描き出される。今回モチーフとなったのは枝垂れ桜である。

 インテリアトリムの銀板には生命の息吹を感じながら春を待つ、福島県三春の枝垂れ桜の枝が描かれ、車内後部座席にセットされたシャンパングラスに満開の桜が咲いているという趣向だ。ラグジュアリーを極めた750Li xDrive Excellenceの内装にアートピースが加わり、他に類を見ない審美的空間ができあがった。

 エクステリア・カラーも、特別なものだ。ドイツ本国の最先端技術から生まれた“ピュアメタル・シルバー”と呼ばれる特殊塗装で、まるで金属の一枚板のような質感を持つ。原材料にアルミニウム粒子が含まれており、多層状に塗装と研磨を繰り返すことで、深い輝きとクロームメッキのような表面感を実現している。そのコストは既存の最も高級なペイントより10倍も高価だという。

 文字通り、日本が誇る伝統技術とドイツのハイテクが組み合わされた一台だ。ラグジュアリー・セダンの地平を切り開く、唯一無二の存在が誕生したのだ。

同モデルの詳細はこちらより

インテリアトリムに取り付けられた奥山峰石氏による鍛金作品。打ち込み象嵌の技術によって描き出された枝垂れ桜の枝ぶりは、幽玄の世界を思わせる。

工房にて製作に励む奥山氏。厳しい修業時代を経て、40歳で作家活動を開始。高松宮記念賞や文化庁長官賞など伝統工芸展の最高賞を多数受賞。1995年、重要無形文化財保持者としての認定を受けた当時は、最年少の人間国宝だった。

後部座席にセットされた奥山氏によるシャンパングラス。草花は氏の代表的モチーフだ。こちらに描かれている桜は満開で、トリムの花のない枝と対を成し、一連のストーリーを物語っている。

BMWカスタマー・インタラクション・センター
TEL.0120-269-437
www.bmw.co.jp/ja/index.html

本記事は2021年1月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 38

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