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伝説へのオマージュ
100周年を祝福する唯一無二の“ルイ13世”

LOUIS XIII "BLACK PEARL AHD"

Monday, March 25th, 2019

 

コニャックの王、「ルイ13世」から、ハーフサイズの限定エディションが発表された。

「時間の香水」とも称される比類なきコニャックの、“スペシャルエディション”に込められたストーリーとは。

 

 

ルイ13世 ブラックパール AHD

AHD初代チェアマン、アンドレ・エリアール=デュブルイユ氏の名を冠した希少なファミリーリザーヴからの特別なオー・ド・ヴィーを、オリジナルの金属製フラスクを想起させるメタリックなデキャンタに満たした、なにもかもが特別仕様となる限定エディション。350mlのハーフサイズ。世界限定1498 本。€11,000 数量限定品につき、詳細は要お問い合わせ。Louis XIII(レミーコアントロージャパンTEL.03-6441-3025)

 

 

「ルイ13世」–– 本誌読者なら既にご存じの通り、世界最高級のコニャックだ。完成に100年を要するその存在は、酒という枠を超えたラグジュアリーのアイコンといえる。今回、そのブランドの歴史と職人の叡智が結集した新エディション「ブラックパールAHD」が誕生した。

 

「ブラックパール」シリーズは、オーナーファミリーの所有する特別なセラーから、特に優れたものが見いだされたときにのみリリースされる限定品のシリーズだ。

 

 「AHD」とは、現オーナーファミリーの初代で、1965年から1982年まで同社のチェアマンを務めたアンドレ・エリアール=デュブルイユ氏(André Hériard Dubreuil)の頭文字を示す。彼の生誕100周年を祝福しその功績を讃える、特別なエディションなのである。しかもこのデキャンタは、「ルイ13世」史上初となるハーフサイズ(350ml)。現セラーマスターのバティスト・ロワゾー氏が見いだした樽からそのままボトリングされた、世界限定1498本のみという非常に希少なリリースとなっている。

 

 

メゾン内に静かに佇むオーナーファミリー所有のセラー、その名も「AHDセラー」。アンドレ氏の功績の大きさが伺える。

 

 

 このファミリーが所有するセラーは、メゾンのそのほかのセラーと比較して低温で暗く、一歩踏み込むと森林のような温もりと湿度に包まれている。このような環境のもとで、オー・ド・ヴィー(原酒)はルイ13世の特徴的なアロマをさらに深めていく。バティスト・ロワゾー氏が、先達から継承した繊細な感覚を駆使して選び出した特別な樽。そのオークの揺りかごの中で、フレッシュでフローラルでありながらしっとりとした土の香りまでも感じさせる、格別なオー・ド・ヴィーが、まさに熟成のピークを迎えていたのである。

 

「時の魔法」を受けて輝きを最高潮に高めた液体を包むのは、高級クリスタルメーカー、バカラの職人たちにより生み出されたクリスタルのデキャンタ。「ブラックパール」の名の通り黒真珠を思わせる魅惑的な色合いは、実はルイ13世のデキャンタの歴史とつながっている。

 

 

アンドレ氏は、メゾンとブドウ農家や生産者との革新的な組合「アライアンス・フィーヌ・シャンパーニュ」を創設。強いパートナーシップに結ばれた同盟が今なお変わらぬ品質の要となっている。

 

 

 もともと「ルイ13世」のデキャンタのユニークな形状は、ジャルナックの戦い(1569年)で王家が用いていたとされる金属製のフラスクをモチーフとしている。のちに戦場跡地は葡萄畑となり、農民が掘り起こして発見したものを当時メゾンを率いていたポール-エミール・レミー・マルタン氏が手に入れたのが1850年のこと。同氏がこのデザインを特別なコニャックのためのデキャンタに採用し、1874年にルイ13世が誕生。以来現在に至るまで継承されているのである。

 

 職人が精巧に作り上げた限定エディションのデキャンタは、特に熟練の技術が必要とされるパラジウム加工を施すことで原点である金属的な美しさを纏わせ、ルイ13世の歴史を見事に体現している。至高のオー・ド・ヴィーには、至高のデキャンタのみがふさわしいといえるのだ。この組み合わせは、フランスが誇る「サヴォアフェール(職人の叡智)」と「アール・ド・ヴィーヴル(芸術的な暮らし)」を、余すところなく表現している。

 

 

バカラの職人の手仕事により、銀や黒、石灰色に変化して煌めくデキャンタの美しさは、芸術作品と呼べる領域にまで昇華されている。

 

「ルイ13 世」の熟成に使われるティエルソン(大樽)。