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グランドセイコーが切り拓く
“日本”のエレガンス

GRAND SEIKO URUSHI & MAKI-E WATCHES

Monday, March 25th, 2019

2017年にセイコーから独立し、グローバルブランドへと拡大しつつあるグランドセイコー。

注目の新作は、日本の伝統工芸を初めて採用したスペシャルモデルだ。

 

text tetsuo shinoda 

photography pak oksun(CUBE) still photography shoichi kondo 

styling akihiro shikata grooming kaori’ws(CUBE)

 

 

ドレスウォッチでエレガントにカジュアルダウン

珍しい茶色の漆のダイヤルカラーを中心とし、同じトーンで全体をまとめたコーディネイト。今シーズン最も重要なリネン素材のジャケットと、古着のニットを肩がけして、程よいリラックス感を演出。ドレスウォッチの上質さによって全体の品格を見事にアップさせている。

時計「SBGK002」¥3,200,000 Grand Seiko(セイコーウオッチお客様相談室TEL.0120-302-617)

ジャケット¥118,000 Tito Allegretto(フィルムTEL.03-5413-4141)、シャツ¥35,000 Avino Laboratorio Napoletano(アイネックスTEL.03-5728-1190)、ニットタイ¥10,000 Beams FBeams Roppongi Hills(ビームス六本木ヒルズTEL.03-5775-1623)、トラウザーズ¥49,000 PT01Ships Ginza(シップス銀座店TEL.03-3564-5547)、ニットproperty of stylist

 

 

 

確かな技術の上に立脚するグランドセイコーのエレガンス

 

 世界最高峰の高級時計を目指して生まれたグランドセイコーは、精度や品質はもちろんのこと、デザイン面でも妥協しなかった。スイスの時計ブランドは柔らかなフォルムを得意としているが、セイコーのデザイナーは日本刀のようなシャープな立体構造を目指したのだ。ゆがみのない鏡面を組み合わせて、面を際立たせるという「稜線の造形」は、グランドセイコーのデザインコードとなった。

 

 このスタイルは現在も受け継がれているが、独立ブランド化してからは、“遊び”や“優雅さ”といった情緒的な側面にもしっかりと力を入れている。

 

 特別な時間を演出する新作ドレスウォッチは、エレガントさを強く意識したケースが目を引く。8年ぶりに誕生した手巻き式の自社製ムーブメントCal.9S63は薄型だが、この薄さを際立たせるためにケースサイドをすとんと落とし、その曲面に美しい磨きを加えることで凛とした表情を作り上げているのも特徴だ。

 

 18Kピンクゴールドケースのモデルに使われるダイヤルには、日本の伝統工芸である「漆芸」を取り入れており、奥行きのある表情が楽しめるようになっている。また、ブラウンの透漆ダイヤルのモデルと、ステンレススティールケースのモデルのダイヤルには、細やかな彫り模様が施されている。このようなディテールへのこだわりのおかげで、時計を眺めるという行為自体が楽しくなるだろう。

 

 漆芸は日本らしさを表現する芸術品と捉えられがちだが、本来は工芸品であり、硬度や耐久性に優れた実用的なもの。「用の美」を追求するグランドセイコーにとっては最適な技法といえる。技と美の融合によって、真の“日本流のドレスウォッチ”が、ここに誕生した。

 

 

 

正統派スーツと完璧にマッチする次世代クラシック

今回の限定モデルは、グランドセイコーのクラシックな意匠を継承しつつも、さらにエレガントに昇華させた薄型ドレスデザインが特徴である。正統派のネイビーストライプスーツに、粋なパープルのタイを合わせた遊び心あるコーディネイトを、品よく際立たせることができる。

時計「SBGK005」¥750,000 Grand Seiko(セイコーウオッチお客様相談室TEL.0120-302-617)

スーツ¥156,000 De Petrillo、シャツ¥21,000 Brooks Brothers、タイ¥13,000 John Comfort、/all by Beams Roppongi Hills(ビームス六本木ヒルズTEL.03-5775-1623)

 

 

GRAND SEIKO Elegance Collection Limited Models

左から:何度も磨き上げることで深い艶を作る黒漆ダイヤルの「SBGK004」。世界限定150本。グランドセイコーマスターショップ専用モデル。手巻き、18KWGケース、39mm。¥3,200,000 /彫り模様が透けて見える透漆(すきうるし)という技法を使った「SBGK002」。世界限定150 本。グランドセイコーブティック銀座、セイコープレミアムブティック、セイコープレミアムウオッチサロン限定モデル。手巻き、18KPGケース、39mm。¥3,200,000 /ダイヤル装飾は、時計を製造している雫石高級時計工房から見える岩手山の山肌をイメージしている「SBGK005」。世界限定1500本。グランドセイコーマスターショップ専用モデル。手巻き、SSケース、39mm。¥750,000 Grand Seiko(セイコーウオッチお客様相談室TEL.0120-302-617)

 

 

柔らかにカーブを描くボンベダイヤル。使用する漆は時計工房と同じ岩手県にある浄法寺町で採取されたものである。ブランドロゴやインデックスは、金沢の漆芸家、田村一舟氏による美しい高蒔絵が施されている。風防ガラスやケースのフォルムを柔らかにまとめ、今までのグランドセイコーにはないエレガントな雰囲気を生み出している。シースルーバックには、獅子の紋章が入る。