PUTTING THE 'STREET' BACK INTO STREETSTYLE

フィレンツェで撮影した
最高の“ストリート・スタイル”

Thursday, March 14th, 2019

毎シーズン、フィレンツェで行なわれるピッティ・ウォモには、

メンズ・ウェア業界における、最高峰のファッショニスタたちが結集する。

写真家チャールズ=エドゥアルド・ウォイセリンは、彼らをフィレンツェの“ストリート”へと連れ出した。

 

text ryan thompson   photography charles-edouard woisselin

 

 

左から右へ:Shaun Gordon(@shaungordontiemaker)、西口修平(@shuhei_nishiguchi)、Daniele Biagioli(@_____db_____)、Guillaume Bo(@gui_bo)、Franco Mazzetti(@ franz_1955)、高田朋佳(@tomoyoshi_takada)、芹沢良輔(@serizawa_ryosuke)、Filippo Matera(@filippomatera)

 

 

 今年1月のピッティ・ウォモでは、写真家のチャールズ=エドゥアルド・ウォイセリン(dgephoto.com @desgensenphoto)がストリート・スタイルについて新たなチャレンジをした。このジャンルの写真は、昨今ソーシャルメディアの登場でますます人気が高まっているが、実はそんなに新しいものではない。実際、これまでに撮影された最も初期の記録写真のいくつかは、人々が路上で撮られたものだ。それらはすでに“ストリート・スタイル”と言えるのだ。

 

 19世紀初頭にまでさかのぼると、ルイ・ジャック・マンデ・ダゲール、ジョン・トムソン、そしてチャールズ・ネグレ(いずれも黎明期の写真家)のような人々は、現在の有名ストリート写真家ビル・カニンガムのように市中の人々を記録していた。

 

 それからカメラが一般人にも普及し、人々がソーシャルメディアに夢中になると、ストリート・スナップが“インフルエンサー”と呼ばれる人々によって、大量に撮られるようになった。そして今では、重要なファッション・メディアのひとつにまでなった。

 

 

 インスタグラムの初期の頃、まだそれがコマーシャライズされていなかった頃は、自分の好みのスタイルを、思うままに検索することができた。それらは素晴らしい着こなしアイデアの宝庫だった。

 

 しかし今日では、インスタグラムは自分に酔っている人たちの見せびらかしの場のようになってしまった。ブランドによるコマーシャル・ポストや金儲けのための投稿も多い。

 

 そんななかで、写真家チャールズ=エドゥアルド・ウォイセリンがピッティで追求しているのは、あくまで“本物の”スタイルだ。

 

 

「私は最近、ファッションイベントや展示会、特にピッティ・ウォモにおいての“ストリート・スタイル”ということについて考えています。ストリート・スタイルは、確かにこの業界を変えました。われわれが洋服を見る方法や“エレガンス”の基準さえも塗り替えました。ピッティでのストリート・スタイルは、まだかなりベーシックなものですが、撮る人と撮られる人の関係はだんだんと変わっていきました」

 

「ピッティでは、来場者は入場時、会場内、そして退場する時まで、写真を撮られまくりです。ますます多くの人がピッティにやってくるに連れて、写真家にとって本当にいい写真を撮るのが、どんどん難しくなっていきました。そして私のストリート・スタイルに対する不満も募っていったのです。私はピッティ・ウォモというものに対して、ばかばかしさを憶え始めました」

 

「しかし、この街には依然として、ヨーロッパで、そして世界でも有数のファッショニスタたちが集まってきます。私は彼らのスタイルを、人々に紹介したいと考えました。ストリート・スタイルを、本来あるべき姿に戻したいのです」

 

 

「それで、私が一番好きなジェントルマンたち、実に自然で実にエレガントなファッショニスタたちに連絡をとって、写真を撮らせてもらうことにしました。私の友人のフランス人、ギローム・ボー(@gui_bo)と同じように、彼らの装いは非常に優雅です。彼らはピッティ・ウォモのエッセンスであり、世界最高のファッショニスタたちです。スタイリッシュであることが、彼らの間の共通言語なのです」

 

「それからもちろん、フィレンツェの街という舞台は欠かせません。この撮影のために、われわれは午前8時にポンテヴェッキオ橋の近くで落ち合いました。日付と時間はずいぶんと前に決めたので、当日霧となることは、誰にも予想出来ませんでした。中世の街並みが続く通りを散策した後、シニョーリア広場に行き、有名なダビデ像に挨拶してから、近くのホテルを訪れました。その上階でドリンクを飲みながら、ドゥオーモと霧の景色を楽しんだのです。葉巻を吹かし、世界のスタイルの状況について話し合いました」

 

「私のインスピレーションは主に映画からもたらされるのですが、その光景はまさにパーフェクトな舞台装置だと言えました。私の本職は混雑したピッティ会場内でスナップを撮ることだとわかってはいますが、せっかくフィレンツェという美しい街があるのですから、そこで撮影しない手はない。そう思って撮ったのが、これらの素晴らしくスタイリッシュな写真なのです」